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『虎に翼』脚本家、構成手がけたアニメの原作表現を「ノイズ」呼ばわり…原作ファンが憤慨した “上から目線”

脚本を手がけた『虎に翼』が第62回ギャラクシー賞・テレビ部門大賞を受賞し、2025年6月、同賞の贈賞式に出席した吉田恵里香氏(写真・福田ヨシツグ)
《ぼっちざろっくは原作を順当に再現したのと、音楽へのこだわりが成功の決め手だと思うから脚本のおかげとは全く思わないなぁ。こういう脚本家のお気持ちが一番ノイズだわ》
2024年1月時点で、原作のシリーズ累計発行部数が300万部を突破し、2022年にはテレビアニメ化、2024年には劇場版も公開された大ヒット漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』。そんな同作のアニメ版と劇場版においてシリーズ構成と脚本をつとめている、脚本家で作家の吉田恵里香氏の発言に、Xで冒頭のような批判が殺到している。
「『ぼっち・ざ・ろっく!』は、もともと『まんがタイムきららMAX』(芳文社)で連載中の、はまじあきさん作の4コマ漫画で、主人公の『ぼっち』ちゃんこと後藤ひとりを中心に、ライブハウスで活動する女子高生たちのガールズバンドを描く物語です。
原作が4コマ漫画ゆえ、ストーリーをつなぐうえで脚本家の存在は不可欠なため、2022年10月のテレビアニメ化に際し、吉田氏がシリーズ構成と脚本を務めました。
吉田氏はこの作品の脚本で、2022年度の『第9回 Anime of the Year』の最優秀脚色賞を受賞するなど、高い評価を受けました。
アニメや劇場版のヒットを受け、2025年2月にはアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』第2期制作が発表されており、脚本は引き続き、吉田氏が担当することも決まっています。
この間、吉田氏はNHK連続テレビ小説『虎に翼』の脚本を執筆し、高い評価を受けています」(スポーツ紙記者)
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同作のアニメ版は、アニメファンからも高い評価を受けているが、吉田氏が8月16日開催のアニメイベント「ANIME FANTASISTA JAPAN 2025」内でおこなわれたトークイベントで放ったひとことに、原作ファンが強い不満を抱いている。
「吉田氏は、アニメ作品のありかたについて『キャラが性的に消費されること』に強い抵抗があるとして、『原作では、ひとりちゃんが水風呂に入るシーンで裸になっているんですが、アニメでは水着にしてもらいました。ぼざろ(『ぼっち・ざ・ろっく!』)が、そういう描写が売りの作品ならいいと思いますが、そうではないと思いますし、覇権を狙ううえでは、そうした描写はノイズになると思ったんです』と語りました。
さらに、原作のすばらしさや制作スタッフの優秀さを語ったうえで、あらためて『そうしたノイズがあると、多くの人に見てもらえなくなってしまいます』とも語りました」(同)
吉田氏にしてみれば、自らの明確なこだわりに基づいたうえでの「ノイズ」発言だったが、これを “上から目線” と感じたファンも多かったようで、Xでは、
《思想強すぎだろ 他人の原作使わせて貰ってる時くらい自分を出すなよ》
《他人の作品を好き勝手弄って搾取してる側の人が、原作を何度もノイズ呼ばわりする神経には呆れるしか無い。物書きならもう少し言葉を選べよ》
など、批判が殺到する事態となっている。漫画などに詳しいサブカル系ライターがこう語る。
「いまや誰もが認める売れっ子脚本家となった吉田さんですが、そんな吉田さんの名前を一躍有名にする契機となったのが『ぼっち・ざ・ろっく!』です。
それだけにXでは、原作の改変についての脚本家の考えとしてどうなのかと、吉田さんを批判する声も出ています。吉田さんはトークイベントのなかで、作品について『原作がまずすばらしく、原作サイドもとても協力的で』と、原作に対するリスペクトもきちんと述べていたのですが……」
アニメの構成に大きく携わってきた吉田氏に悪意はなかったのだろうが、「ノイズ」という表現は、言葉足らずだったかもしれない。