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『本日の握手会、ヲタク約1名。』SKE48相川暖花が語る大逆転アイドル人生とバンテリンドーム ナゴヤへの道

相川暖花
Xでのバズりをきっかけに、様々なメディアに出演中のSKE48の相川暖花。これまでのアイドル人生、話題を集めているXのポストやSNSのこと、そして、キャリア11年でチャンスを掴んだこれからの目標を語った。
●ヲタク約1名の衝撃
SNSでバズるアイドルは数多いる。ルックスの美しさやダンスの可愛さ。セクシーさやツッコみどころのあるボケ。様々な文脈でSNS上のタイムラインに、今日もバズったアイドルの投稿が登場する。
しかし、2025年4月12日に投稿されたそのポストには、彼女の姿は写っていない。代わりに笑顔でサイリウムを振る一人の男性が写っていた。
「本日の握手会、ヲタク約1名。」
SKE48の相川暖花の投稿だ。
この投稿は、一晩で彼女の存在を広めることになった。
「最初は焦りました。今まで自分の投稿に1万件以上『いいね』がついた事も無かったのに、あの投稿は数時間のうちに1万件いいねがついて。携帯の通知が止まらなくて、こんなに拡散されるとは思ってなかったです。
今は握手会に沢山の人に来ていただいています。しかも、初選抜のシングルの特典会の受け付けが始まったんですけど。けっこう完売しているところもあって、すごいですよ。快挙です」
このバズが起こった日から、時計の針を10年ほど戻そう。
相川暖花がSKE48になる前に。
関連記事:【握手会にファン1人】“別人級”すっぴんも大公開…SKE48・相川暖花の「自虐投稿」連発に漂う「ブーム到来の予感」
●相川暖花がバズるまでの10年「辛いと思うことの経験値は高い」
相川暖花が、SKE48のオーディションに合格したのは、2025年3月15日。まだ相川が11歳の時だった。
「SKE48に入る前はサッカー部に入っていて、日焼けもしていて活発な子供でした。学校の成績も普通ぐらいで、本当に普通の女の子だったと思います。地元だったのもあるし、松井珠理奈さんや松井玲奈さんの活躍を観ていて、憧れたからです。アイドルがしたいというよりSKE48に入りたくてオーディションを受けました。まだ1人で電車に乗ったことすら無かったので、すべてが新鮮でした」
アイドルがしたいのではなく、SKE48になりたい。
この想いを持って挑んだ少女は、見事に7期生オーディションに合格する。しかし、合格した彼女に最初の壁が立ちふさがる。
「アイドルになって最初に苦労したことは、ダンスです。サイドステップも踏めないぐらいダンスが出来なくて。ダンスに集中しようとすると、笑顔が出来なくなって大苦戦しました。7期生はダンス審査が無かったけれど、もし、ダンス審査があったら落とされていたと思います」
2015年3月22日に7期生がお披露目される。そこから、まずは研究生としての活動が始まる。研究生から昇格して正規メンバーとなっていくのだ。
ただし、彼女のアイドル人生は決してエリートコースではない。同期が先にシングルの選抜メンバーに選ばれ、正規メンバーに昇格していく。彼女は後から加入した8期生と共に、研究生公演を盛り上げていくことになる。相川がまだ中学生の頃である。
「同期が選抜メンバーに選ばれた時は、悔しいとかそんな気持ちは一切無くて、ただおめでたいと思っていました。頑張っている姿を1番近くで見てきたので。
でも、昇格できず、研究生に残った時は悔しかったです。ほぼ全員が昇格して、残った同期が3人だけだったので、ここからどう頑張ったらいいんだろうと悩みました。でも、一緒に残ることになった2人がとても頼もしかったし、8期生は素直で可愛かったんです。研究生期間で出来た絆が、私にとって宝物になりました。あの時は悔しい思いをしたけれど、今はあの時に昇格できず、研究生に残って良かったなと思います」
やがて、2017年10月5日。Team Eへの正規メンバーとしての昇格が決まる。チームの中で埋もれないために、相川は次の行動に出る。2023年の7月15日から始まった『声出していこーぜ!!!』公演の時のエピソードを語ってくれた。
「たくさんのポジションを覚えて出演していました。自分のオリジナルポジションがなかなか見せ場がなかったので、少しでも前で踊れるなら覚えたいと思って、半分以上のポジションを覚えました。毎回違うポジションで出演していたので、頭をフル回転させなきゃいけなくて大変でした。正規メンバーに昇格してから1番肉体的にきつかった時期です。でも、観に来て下さるファンの方が褒めてくれて、それが糧になっていました」
もう一つ、昇格後の印象的なことを語ってもらった。少し時期は戻るが、2021年に行われたシングルのカップリングに収録する楽曲のメンバーを10代の候補者から6名を選出する投票イベントでのことだ。
「ユニットを決める投票でギリギリ6位までに入れなかった時が、精神的に一番きつかったです。SNSが苦手だったのもあるし、投票して欲しいと頼むのが、ファンの方の負担になってしまうのが申し訳なくて。あの時は一気に自分に自信を無くしました。諦める癖もついてしまって。辛くてSNSを全く動かさない時期もあったので、あの時応援してくださっていたファンの方々には申し訳ない気持ちです」
この時、相川は17歳であった。結果こそ伴わなかったが、彼女は腐らずに努力を続けていく。そして、2025年1月1日。Team Sへの異動とリーダー就任が発表される。
「私は研究生期間も長かったり、アンダーに毎回違うポジションで出演していたりしていました。辛いと思うことの経験値は高いと思うので、相手のしんどさを分かって、話して少しでも楽になってもらえるように心掛けています」
●ほのちゃんのオタクだったら、胸を張って言える
そして、2025年4月12日。21歳の春にXで「本日の握手会、ヲタク約1名。」の投稿をする。あの投稿で話題になった相川ファンの方についても少し語ってもらった。
「オタクってことが、職場でバレたらしいです。ツイートを見た人がいて、バレたらしくて。『これ、あなたじゃないんですか? ヲタクしてるんだ』って言われたんですが、『ほのちゃん以外だったら嫌だけど、ほのちゃんのことだったら嬉しい。ほのちゃんのオタクだったら、胸を張って言える』って言ってくださいました。本当に優しいです。
拡散され過ぎちゃったから、『大丈夫?』って聞いたんですよ。でも、『ほのちゃんのためなら何でもやりたい。いくらでも写真撮っていいから今日も撮る?』って。その後もノリノリでやってくれます」
この話題になったファンの方だけでなく、相川は長いキャリアの中でファンの方々に支えられているという。
「今年10周年を迎えたこともあって、ずっと卒業の時期を考えていました。辞めずに続けられたのは、本当にファンの方々の支えがあったからです。アイドル11年目で初めて選抜メンバーに選ばれたのですが、これをゴールにするのではなくスタートにして、頑張っていきたいと思っています」
●TikTokは恥ずかしくてやっていなかった
Xでのバズり投稿を受けて、彼女の人気は加速していく。9月24日に発売されるSKE48の最新曲「Karma」の選抜メンバーとして相川は選ばれる。キャリア11年。様々な辛い期間も努力し続けた彼女が掴んだ選抜メンバー入りだ。
「とにかく驚きました。自分が選抜メンバーに選ばれる未来なんて想像したことが無かったぐらい遠い夢だと思っていたので、ドッキリかと思って。家族もとても喜んでくれて、お母さんも『良かったね』って泣いてくれて。 初選抜記念で家族集まってパーティーもしてたくさんお祝いしてくれました」
彼女が更新しているSNSの中で注目を集めているものの一つがTikTokだ。
さきほど、「SNSが苦手だった」と語っていたが、TikTokを始めたきっかけは何だったのだろう。
「TikTokはやりたかったんですよ、ずっと。けれど、ちょっと勇気がいるっていうか、なんか恥ずかしいと思って、やってなかったんです。でも、その恥を捨ててやったら、成功しました。
SNSの楽しさや拡散力を知らなかったから、1つの投稿のバズりから、自分のモチベーションも変わりました。SNSは沢山の方が見てくださるので、見た人が少しでも元気になれるようにということを今は意識しています」
●SKE48の入口になりたい
「これからは、グループ全体を引っ張れるメンバーになるのが目標です。グループを好きになるきっかけ、入口になりたいです。バンテリンドーム ナゴヤにみんなで立つのを目標にしているので、ドームを埋められるぐらい、たくさんの方に愛していただけるよう、笑顔を届けられるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
SKE48の新曲「Karma」は既にYouTubeのSKE48公式チャンネルで公開されている。「相川ネキのバズ新規です」、「バズるアイドルはたくさんいるけれど、MVまで観にきたのは相川ちゃんがはじめて」というようなコメントが並んでいる。今、相川は確かにSKE48の新しい入口になりつつある。
時計の針を未来に進めて、SKE48がバンテリンドーム ナゴヤに立った時。相川暖花は、本日のヲタク、何名と投稿するだろうか?