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テリー伊藤のお蔵入り企画「田中角栄のそっくりさんを国会へ」
タレントのテリー伊藤が、4月26日放送の『橋下徹の即リプ!』(AbemaTV)に出演した。番組では、司会の橋下徹が、テリーの手がけた番組をこう絶賛する。
「うちのチビちゃんらは、まだ小学生とか中学生なんですけど、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)のビデオを見せたらゲラゲラ笑ってますよ。
いまじゃ問題あるのかもしれないけど、芸人がバスに乗って水の中にジャブジャブ漬けられるんだもん(笑)。無茶苦茶じゃないですか」
これを受けてテリーは「あれは僕のコンセプトがあって。『昨日、日本に来日した外国人が見ても面白い番組を作る』。だから、音なんか消してもいいんです。僕はよく(芸人に)言ったんです、しゃべりじゃなくて『お前ら、映ってりゃいいんだ!』って」と振り返った。
そんなテリーは、番組作りにおいて「まず『予算がない』って言う奴が嫌いだった。30万円で面白い番組を作れと言われたら作る自信がある」と明かす。
というのも、業界へ入ったときの制作会社はテリーを入れて社員がわずか3人。お金がないあまり、初めての給料は3カ月もらえなかったというから相当なブラック企業である。
しかし、この弱小プロダクションが、かえってテリーの演出力を育てたという。
「そういう状況の中でモノを作ってるから、タレントの事務所に電話しても『は? どこの地方局だ? 知ってるわけねえじゃん!』って、バンバン電話を切られてた。タレントが全然捕まんない。(それで)よし! じゃあ無名のタレントを全部使おうとなった」
キャステングではなくアイデア勝負。「タレントありきの番組作りなんて夢の夢だった」と当時を振り返る。
おかげで、「下剤と下痢止めを同時に飲んだらどうなるか?」や、「たこ八郎に東大生の血を輸血したらIQが上がるか?」といった、誰にも想像できないトンデモ企画を思いついたという。
さらに、テリーは過去のお蔵入りになったエピソードを紹介する。
「当時、“そっくりショー” があって田中角栄のそっくりさんがいた。本当に似ていて。国会の周りに行ってみようかってロケをして、有り得ないんだけど、たまたま国会の正門のところが開いていた。
警備の人たちも(本人と間違えて)こうやって(敬礼)。そしたらバカな運転手が2メートルくらい入っちゃった。(まずいと)すぐ止めたら、お巡りが20人くらい来ちゃって。『お前ら何やってるんだ?』って言われて『撮影でたまたま入っちゃっいました』と(笑)」
当然、警察は「ビデオを見せろ」と要求。テリーは「一応マスコミの人間だから」といったんは映像を消したふりをするも、あっさりバレてしまった。
「絶対にお咎めがあると思ったんですけど、(警察も)自分たちに落ち度があったからセーフ! 何にもないことになってる」
バラエティという名のもとに、数々の無茶をやってきたテリー。しきりにコンプライアンスが叫ばれるような現代では、彼のようなディレクターはもう出てこないだろう。