勝つぜM-1「霜降り明星」借金返済のため下克上を狙う

写真(c)ABCテレビ

　初代王者の中川家をはじめ、敗者復活から優勝したサンドウィッチマンなど、数多くの人気芸人を世に送り出してきた、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。

　SmartFLASHでは、12月2日に行われるM-1グランプリ2018決勝に駒を進めたファイナリスト9組を総直撃。決勝まで、毎日1組ずつ紹介していく。

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　5組目は「霜降り明星」。25歳の粗品と、26歳のせいや。近年では稀な20代ファイナリストコンビだ。ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2018」では、コンビ2人揃って決勝に進出という史上初の記録ももつ。

　昨年優勝のとろサーモンがラストイヤー15年目での優勝、今年もファイナリストにラストイヤー組が並ぶなか、唯一の20代コンビが栄冠をかっさらうことができるか。

――決勝進出おめでとうございます。決勝進出者発表で名前を呼ばれた際、号泣されていましたね。

せいや　人前でこんなに泣いたのは人生初っていうくらいです。相方と2人での、この1年のしんどかった思い出とかが、全部キラキラと光りだして見えたんです。昨年の初の準決勝進出で決勝まで行けていたら、こんなに泣かなかったと思います。

粗品　昨年の敗退が響いていて。同じ会場、同じ結果発表の場所で「1年長いなー」と思ったのを覚えているので、より泣けましたね。

せいや　自分でも「オレこんなに喜ぶんや、こんなに泣くんや」と驚きました。泣きすぎて頭痛くなりましたもん（笑）。

――優勝したら賞金1000万円はどう使いますか？

粗品　仲良くしている後輩が3人いて、僕を入れて4人とも借金がありまして。それをいったん立て替えて全額返済して、僕に返してもらう形にしたいです。

せいや　大学の奨学金を返したい。いまちょこちょこ返しているんですけど、払い終わるのが40歳くらいなんです。大学にお笑いで恩も返したいですし、賞金でバンっと大きく返済したいです。

――お2人は「座右の銘」はありますか？

せいや　座右の銘ってなんでしたっけ……？ 「芸は身を助ける」ですかね。高校生のときにいじめられていたんですけど、ギャグをやりまくって跳ね返したんです。いまだに人生も芸で助けられてますし、芸がなかったらどうなっていたか。お笑い好きでよかった、なんでもプラスに変えられると、そのとき思いました。

粗品　「運命は自分が決める」。神頼みとか好きじゃなくて、神が介在できないくらい自分の信念で運命を決めます。

せいや　それ聞いたことあるな、お前の口から。「神が介在……」とか言うてたわ。こいつの口以外から介在っていう言葉を聞いたことがないので、人生２度目の“介在”です（笑）。

――特に世話になっている先輩芸人はいますか？

せいや　尼神インターの渚さんです。尼神さんは東京に移ってしまったんですが、大阪に帰ってきたときは毎回誘ってくれますし、僕のことを初めて面白いと気にかけてくれた人。テレビの収録でも、渚さんがいると安心します。早く追いつきたいです。

粗品　三浦マイルドさん。僕らがコンビを組み立てでライブに全然出られてないころから、よくライブに誘ってくれたんです。僕はもともとピンで活動していて、せいやを誘ってコンビを組んだんですが、「ピンの方がよかった」と言われることが多いなか、マイルドさんだけが「組んでよかったやん！　絶対いけるって！」と言ってくれて。

――最後に、優勝へ向けての意気込みを！

粗品　全国の皆様に漫才を見てもらえる大チャンスですし、ふだん関西の番組でご一緒している今田（耕司）さんや、憧れの松本（人志）さんにネタを見てもらえる機会なので、楽しんで漫才をしたいと思います。

せいや　僕はリズムネタ芸人ではないので、（R-1ぐらんぷりで披露した）「せ・せ・せいや！」は封印して、僕らは漫才師なんや！　というところを見てほしいです。

粗品　「せ・せ・せいや！」はホンマにやらんといてや。

※「M-1グランプリ2018」は今田耕司・上戸彩を司会に、12月2日（日）18:34からABCテレビ・テレビ朝日系で生放送

取材＆文／松田優子