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笑い飯・哲夫の仏教講座「カルピスの命名には深イイ理由が」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.04 20:00 最終更新日:2018.12.04 20:00
M-1グランプリの第2回から第10回まで連続で決勝進出を果たし、9回目の挑戦で、見事グランプリに輝いた笑い飯。本を出すほどの仏教マニアである哲夫に、元芸人インタビューマン山下が仏教のいろはを聞いた。
――哲夫さんが仏教に詳しいということで、仏教に関する素朴な疑問に答えていただきたいんですよ。般若心経ってざっくりいうと、どんなことが書かれているのですか?
「『空』なんですよ。一文字にするとこれに尽きるんですけど。要は実態がないということです」
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――え! どういうことですか?
「世の中のあらゆるものには実態がないと言っているんですよ。すべてのものが実態がないからこそ、個別のものが、結局は土に溶け込んで、自分も土に溶け込んで、その後、他の何かになったとき、そいつと自分が何かを共有したことになる。
ということは、宇宙や地球をみんなで共有しているし、個別という実態がない。実態がないイコールみんながつながっていると考える。
だから、今は個別と思わず、人というのは自分でもあるという認識でいれば、人に優しくできるっていうことです」
――要するに、「みんな一緒やから、お互い優しくして仲良くしろよ」ということが書かれているんですね。
「そうなんですよ。素敵でしょ。まぁ、僕の解釈ですけどね。でも、お寺の住職さんに聞いても『まぁそういうことですよね』とおっしゃってましたし、僕が読んだ本にもそういう感じで書かれています」
――お坊さんのイメージは、お酒もたばこも吸わず、食事は精進料理というイメージがありますが?
「今はそんなことないですよ。お坊さんから名刺をもらったとき、お坊さんも企業と一緒なんやと思いました。
だから、一般の人でも仏教の学校に行って、キリスト教でいう洗礼をやってもらえれば、お坊さんになれます。僕はなる気はないですけど。仏教マニアなので、電車でいえば、運転手ではなくて鉄道写真を撮ってる人って感じです」
――なにか面白い仏教雑学を教えてください。
「仏教では味に順番がつけられていて、『乳、酪、生酥(しょうそ)、熟酥(じゅくそ)、醍醐(だいご)』を五味といいます。一番おいしいのが醍醐で、『醍醐味』という言葉はここからきています。醍醐味は古代インドの言葉では『サルピルマンダ』というそうなんです。
大正時代、牛乳を熟成させたものとカルシウムを混ぜたおいしい飲み物が発明されたんですね。子供たちの健康にもよく、その会社の創業者が、醍醐味という意味のサルピルマンダのサルピルとカルシウムを混ぜて『カルピル』という名前で発売しようとしたんです。
でも、『赤とんぼ』の作詞で有名な山田耕筰が『カルピル』は語感が悪いということで、醍醐味のひとつ手前の熟酥味を採用するんです。熟酥味は古代インドの言葉で『サルピス』というんです。
そこで、カルシウムとサルピスを混ぜて『カルピス』ができたんです。長くてすいません(笑)」
法事のときに長々と読まれる般若心経は、ざっくりいうと「人に優しくしろ」と言っていたとは驚きだ。
※笑い飯・哲夫『銀色の青』(サンマーク出版)発売中