紅白初出場が発表されて以来、彗星のごとくテレビや雑誌、ネットニュースを席巻している男性5人組がいる。スーパー銭湯や健康ランドを主戦場とし、歌と踊りで魅せるコーラスグループの「純烈」だ。
平均年齢は40.4歳、楽曲はオリジナルのムード歌謡を中心に、年間100カ所近くで公演を行う彼らは、中高年マダムを中心にカリスマ的な人気を誇っている。その現象自体はメディアを賑わせているが、それぞれのメンバーは一体どんな人物なのだろう。
公演で観客をいじって巧みに会場の笑いを誘う、最年長メンバーの小田井涼平(47)に、腰を据えて話を訊いた。
――紅白出場おめでとうございます。
「ありがとうございます。12月後半になってようやく、本番で歌う曲が『プロポーズ』に決まりましたので、いまパフォーマンスの準備を急ピッチで進めていまして、さらに実感がわいてきました」
――小田井さんといえば、11月の出場歌手発表会見での、「妻(コメンテーターのLiLiCo)がバックダンサーで出るつもりでいるから阻止しないと」というコメントが話題になりました。
「じつは昨年の11月16日、紅白出場歌手発表の日が、奥さんの誕生日でした。その日は落選して残念な気持ちを抱えつつ、彼女の誕生日を過ごしていたのです。
そしてぼくたちは今年(2018年)の春、結婚を発表しました。純烈としても昨年以上に紅白に近づいた1年を過ごせたと思います。
時期がたまたま重なっただけで、照準を合わせたわけではないです。奥さんはタレントですから、有名人と結婚したことについて、多少の非難もありました。だからこそ、絶対に紅白に出たかったんです。
『結婚発表したから紅白に出られなかった』と言われないかと内心ビクビクしていましたので、出場が決まって妻もぼくも、単純に『嬉しい』という以上に、安心したというのが本音です。あ、妻の出場はなんとしても阻止しますよ(笑)」
――そんな重圧があったんですね……。ところで小田井さんは、どういう経緯で純烈に加入したんですか?
「ヒーロー俳優仲間だったリーダー酒井(一圭)に騙されたんです(笑)。というのは半分冗談で、リーダーに誘われて彼の計画を信じただけ……というより、話を聞いて自分でも思い描いた未来図がありました。それは、ほかのメンバーも同じかと。
でもデビュー前は、キャバレーで歌う自分も、スーパー銭湯で歌う自分も想像していませんでした。『夢は紅白!親孝行』なんて掲げていましたが、その道が本当に紅白まで続くなんて、まったく思いもしなかったですね」