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紅白『ひょっこりひょうたん島』から「米津玄師」への流れに注目
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.30 18:30 最終更新日:2018.12.30 18:30
12月30日、東京・渋谷のNHKホールで、『第69回NHK紅白歌合戦』の2日めリハーサルがおこなわれた。前日の各アーティスト別の音合わせを経たこの日は、コーナーごと、そして全体を通した進行確認がされた。
同局の好視聴率コント番組『LIFE!~人生に捧げるコント』の人気キャラで、総合司会の内村光良が扮するNHKの「ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・マーベラス・ディレクター」三津谷寛治がプロデュースする、キッズショーの通し稽古では、男女・チームが入り混じったアイドルたちが登場した。
三津谷Dがみずから出演者交渉に各地へ足を運ぶという設定で、代わりに進行司会を「オーノ」こと嵐の大野智と、「ムーロ」こと俳優のムロツヨシが務める。
ショーのはじめは、NHKの名作人形劇『ひょっこりひょうたん島』を舞台にした、AKB48、乃木坂46、欅坂46のメンバーからなるドリームチームの演目。
AKB48からは指原莉乃と柏木由紀、乃木坂46からは、白石麻衣と生田絵梨花、そして欅坂46からは、12月半ばよりケガで休止中の絶対的エース・平手友梨奈の代わりに紅白でセンターを務める小林由依と、キャプテンの菅井友香が、『ひょうたん島』キャラのコスプレで登場し、テーマソングを歌った。
続いて、人気教育番組『おかあさんといっしょ』『いないいないばあ』の出演メンバーが勢揃い。さらに、Sexy ZoneとKing&Princeの面々が合流し、チューリップの財津和夫が作詞した『切手のないおくりもの』を合唱する。リードボーカルはなんと、松田聖子が務める。
ステージ途中で前列に加入した三津谷Dが、歌い終わったあとこうセリフを放った。
「こういう歌を、これからもたくさん作りたいですね。NHKなんで! さあ、いまこそ、『みんなのうた』を未来に届けるんです」
そして流れ始めた曲は、シンガーソングライター・米津玄師が東京五輪のために作詞作曲し、2018年8月に発売された『パプリカ』。映画監督・新海誠氏の娘が加入していることで話題になった、男女5人組の小学生ダンスボーカルユニット「Fooryn(フーリン)」が登場し、歌とパフォーマンスを披露した。
米津といえば、2018年、世間でもっとも注目を集めたアーティストのひとり。紅白出場を望む声も多かったが、11月の出場歌手発表会見では「参加未定」だった。
ところが12月も半ばになって、突然、亡き祖父が住んでいた徳島から生中継で紅白出場、という発表がされた。ここにきて発覚した『パプリカ』の演目採用の裏には、NHKの粘り強い交渉が垣間見える。
米津は同曲について、オフィシャルにこう語っている。
「子どものころを思い返すことがここ最近の音楽活動に於いて、重要なテーマになっていたところに、ダイレクトに子どもへ向けた音楽を作ることになりました。
子どもたちが素直に楽しめるものを作るためには、子どもの目線で生活を省みつつ、まず子どもを舐めないところから始めるべきだと思いました。この曲を聴いた子どもたちが、小さな世界を元気に生きていく為の糧になりますように」
そんな「パプリカ」の歌詞には、こういう一節がある。
《夢を描いたなら 心遊ばせあなたに届け》
大晦日の夜、2018年を代表する歌手の米津は、徳島とNHKホールの両方から、空で見守る祖父に夢を届ける。