1月14日、アメリカの新聞『ワシントンポスト』に、片付けコンサルタント・近藤麻理恵の記事が記載された。
「グッドウィルセンター(リサイクルショップ)で、寄付が約4倍になった」
これは、1月1日からNetflixで始まったリアリティー番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』(原題『Tidying Up with Marie Kondo』)の影響だと、CNN、ニューズウィーク、ガーディアンなど世界中のマスコミで話題になっている。
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ツイッターには「これも『近藤麻理恵』効果? 寄付の列ができている」と、何台もの車が列をなしている写真がいくつもアップされている。家を整理して、不要になったものが次々に寄付されているのだ。
近藤麻理恵は、2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)が大ベストセラーになった。
「片づけをすることで自分のときめくものがわかり、判断力、選択力が磨かれる」としており、断捨離ブームと相まって、大きな話題となった。
片付けの基本は「こんまりメゾット」と呼ばれるもので、「それにときめくか、ときめかないか」という単純なもの。ときめかなければ、すべてゴミ箱行き。
片づける順番も重要で、衣類、本、書類、小物という流れ。思い出の品は、つい見入って、作業がそっちのけになるため、一番最後だ。
近藤の本は海外でも高い評価を受け、『ニューヨークタイムズ』1月2日の記事では、40カ国以上で累計850万部以上販売されているとしている。
アメリカでは2014年に出版後、片付けを「kondoing」(こんどうする)と表現するようになり、近藤は、2015年に『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれた。
近藤はしばしば「メリーポピンズのよう」と書かれるが、一方で『ニューヨークタイムズ』2016年1月23日の記事では、「彼女の服のたたみ方は折り紙に匹敵する」と紹介されており、東洋の神秘的な受けとめられ方もあるようだ。
本の片付けをめぐっては、SNSで「本は人生のさまざまな時期に読み返すものだから、捨てるのはおかしい」と批判の声が上がり、これに対して「整理したらもっと別の本が買える」との論争も起きているが、これも人気の証だろう。
専業主婦の母親に憧れ、5歳で片付けに目覚めた近藤は、高校2年生のとき、すでに「ときめくものを選ぶ」という理論を確立している。現在は、2人の子供とアメリカ暮らし。
ちなみに、「ときめき」を英語では「SPARK JOY」と表現している。全世界に拡散していく「SPARK JOY」の魔法に、次の休みに挑戦してみるのもいいかも。