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「東京の笑い」を大阪に受け入れさせた「さまぁ~ず」の秘策
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.07 20:00 最終更新日:2019.02.07 20:00
2月5日放送の『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)に雨上がり決死隊の宮迫博之が出演し、若手のとき、さまぁ~ずのネタをうつむいて見ようとしない観客に激怒した過去を語った。
「今でこそみんなウェルカムで笑ってくれるけど、それこそ、昔って、大阪に東京の芸人さんが来たら、劇場の若い子(ファン)らは『誰が笑ってやるか』っていう。ひどかったよ」
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かつて大阪の劇場では、東京の芸人に対して、絶対に笑わないようにしているお客が少なくなかった。標準語を喋っただけで場がしらけるなど、東京の芸人はずいぶんやりにくかったという。
「二丁目劇場っていうところにさまぁ~ずさんが来て。まだバカルディ時代。ゲストで東京の人が何回か来るときがあって、そんなかの1回にさまぁ~ずさんが来られて。俺ら1個先輩やったけど、大好きやったから」
その舞台では、雨上がりがMCを務めており、宮迫は大好きなさまぁ~ずのコントを舞台袖から見ていた。
「ネタを袖で見てて。そしたらさ、前列から何列目かの客がうつむいてさ、見ようともせぇへん」
ネタは面白かったが、このファン達は東京の芸人だから笑わなかったのだ。
「『誰が見てやるか』って。それ見て腹立って。さまぁ~ずさんが終わった後、『お前ら、それはお笑い好きな人間がやったらいちばんアカンことやぞ』って。『あんな面白いネタを。そんなんやったら、今すぐ出ていけ!』って、めっちゃキレて」
舞台が終わり、宮迫は相方・蛍原徹、さまぁ~ず、ナインティナイン岡村隆の5人で居酒屋に行き、さまぁ~ずに「すみませんでした、大阪の客が」と謝罪したという。
だが、宮迫はさまぁ~ずから思いがけない返事を受ける。
「『でも、逆に、東京に大阪の人が来たらこうなっちゃうからね』って。『だから俺たちで、頑張って売れて、変えようよ』って、熱い会話したの覚えてるわ」
さまぁ~ずは、自分たちが売れることで、「大阪の芸人」「東京の芸人」といった壁を壊すと宣言したのだ。そして実際に、大阪のお客にそっぽを向かれないような新たな秘策を思いつく。
2004年4月22日放送の『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、三村マサカズが「東京弁丸出しじゃない感じ。敬語みたいなツッコミ」を考えたと語っている。
いまでは三村の代名詞となった「~かよ!」というツッコミではなく、「~じゃないですか」とトーンを落として、敬語で突っ込むコントを考え出し、それを大阪の二丁目劇場で月曜から金曜までやった。
「月曜日やったら、やっぱ警戒してお客さんも見るわけ。火曜日はちらちらウケだして、水木金は出待ちですよ!」(三村)
標準語を極力抑えたツッコミが大阪で人気を博すようになった。こうした努力が実り、今では、東京の芸人に対して大阪のお客もそこまで拒絶反応を起こさなくなったという。居酒屋で5人で交わした約束はしっかり果たされたようだ。