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ロック名盤「究極の100枚」ジョン・レノン『イマジン』は77位

エンタメ・アイドル 投稿日:2019.07.30 16:00FLASH編集部

ロック名盤「究極の100枚」ジョン・レノン『イマジン』は77位

 

 日本において「洋楽」と総称されることが多い、米英のロック音楽、そのアルバムのベスト・オブ・ベストはなにか。それを「究極の100枚」と名付けたい。

 

 あなたがほんのすこしでもロックに興味があるならば、最初に聴いてみるべき1枚は、間違いなくこの「100枚」のなかにある。逆にあなたがロック通を自認していて、なおかつこの「100枚」のうちに1枚でも聞き漏らしがあったなら――正直言って、それはちょっと「まずい」かもしれない。

 

 

 この「100枚」を究極と呼ぶ理由は、こうだ。この名盤リストのセレクションおよび順位は、考えうるかぎり科学的かつ合理的に決定された。ゆえに「究極」だと考える。

 

 では具体的にどうやって作成したのか?というと、アメリカ、そしてイギリスにおける「最強の名盤リスト」を素材として、それらの順位から数学的に序列を導き出すことを僕は考えついた。そして、それを実行した。つまり、当ランキングに僕の主観は反映されていない。

 

 このリストの成り立ちについて説明しよう。米英のロック音楽について考察するとき、貴重な情報や傾聴すべき見解を最も豊富に蓄積しているのが、「米英本国の聴き巧者たち」だということは論をまたない。そんな人たちが選んだリストがある。

 

 つまり、かの地の批評家や愛好家、または音楽の現業に就く人々のなかでも一流中の一流が、まさに喧々囂々、丁々発止とやり合いながらまとめた「米英ロック名盤のリスト」というものが、アメリカにも、イギリスにも複数存在する。

 

 前者のなかで最も有名なものが、アメリカの音楽雑誌〈ローリング・ストーン〉が2003年に初版を、改訂版を2012年に発表した「500 Greatest Albums of All Time」だ。

 

 後者のそれはイギリスの音楽メディア〈NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)〉が2013年に発表した「The 500 Greatest Albums of All Time」だ。

 

 この2つの「名盤リスト」を素材として、僕はこの100枚を選び、順位づけをおこなった。つまり「〈ローリング・ストーン〉と〈NME〉のリストの中間値」を求めてみたわけだ。

 

 その結果、世界でもっとも有名な1枚であるジョン・レノンのアルバム『イマジン』(1971年)は77位となった。

 

 言うまでもなく『イマジン』は、ジョン・レノンの代名詞と言っていいナンバーだ。ロックの、音楽の、いや大衆文化の広大な沃野のなかに、この1曲が存在しているということは、人類の達成として誇るべきことだと僕は考える。

 

「想像しなよ」と聴き手に呼びかけるこのナンバーは、平和を、相互理解を、愛し愛されることや、あらゆる「違い」を持つ人々がそのままに共存していくことの豊かさについて、訥々と語り上げるものだ。

 

 天国がないから地獄もなく、国々もないから、そのために殺したり死んだりすることもなく、宗教もない――そして、すべての人々が「世界のすべて」をシェアしていく……そんな世界を「想像してみなよ」と。

 

 ときに「お花畑」呼ばわりもされる、理想主義の極致のような歌詞が、このナンバーの特徴だ。もっとも「そんなふうに言われるよね、きっと」というところは、レノン本人が先回りして考えていて、すでに歌のなかで言及してもいる(You may say I’m a dreamer のところだ)。

 

 そして(じつにレノンらしく)先に言い返してもいる。「でも僕だけじゃないんだ」と。理想主義者は、夢を見る者は、と。

 

 本作は、ソロ名義のアルバムとしては2枚目であり、大ヒット作ともなった。英米ほか各国での1位は当然としても、日本でのオリコン総合チャート1位は快挙と言っていい。まさに「ロックが世界を揺り動かしていた」時代がここだ。


 

 以上、川崎大助氏の新刊『教養としてのロック名盤ベスト100』(光文社新書)を元に再構成しました。ヒップホップ、R&B、ソウル、ファンク、ジャズ、レゲエ……すべてのロックから「究極の100枚」をランキング化したら?

 

●『教養としてのロック名盤ベスト100』詳細はこちら

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