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ナイツ塙宣之「M-1」注目は「からし蓮根」と「たくろう」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.25 16:00 最終更新日:2019.09.25 16:00
2008年から3年連続で「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)の決勝に進出したナイツ。そんなナイツのボケ担当・塙宣之(41)が、去年の「M-1グランプリ2018」で初めて審査員を務めた。
プレイヤーと審査員の両方を経験した塙に、現在、予選まっただ中の「M-1グランプリ2019」の展望を聞いた。
――去年のM-1で審査員をやってみて、初めて気づいたことはありますか?
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塙 意外に家で見てる方が客観的に見られるんですよ。あの場の空気はあんまり落ち着いて見られないというか……。もちろんちゃんと見てはいたんですけど、なんか最初は緊張感でフワフワしてましたね。
ということは、後半に出てくるコンビの方が有利じゃないかなと思います。審査員がより集中して見てるから。
――審査員でも緊張するんだったら、漫才をやる側はかなり緊張しますよね。
塙 絶対、芸人はM-1のときは足がすくみますよ。
――ゆにば~すは2017年、2018年と2年連続でM-1の決勝に進出したんですが、2017年のとき、川瀬名人はめちゃくちゃ緊張してしまったそうです。
本人分析では、M-1本番前に漫才衣装に着替えたため、そのときに緊張のスイッチが入ったそう。だから対策として、2018年は1年間プライベートでも漫才の衣装を着て慣れていったそうなんです(笑)。
それで2018年のM-1は漫才衣装で現場に入り、着替えずにそのまま挑んだんですが、結局緊張してめちゃくちゃ噛んでもうたんですよ(笑)。
塙 バカですね(笑)。多分、どれだけ舞台を踏んでも、あんまり関係ないんですよ。あのM-1のセットで、あのせり上がりで出てくるのを、年に400回やっていたら緊張しないと思います。
でも、ダウンタウンの松本さん、上沼恵美子さんがいて、生放送でせり上がりで出てきて、もう緊張しないわけがないんですよ。あれに緊張しないという方が無理だから。僕は3回出て3回ともバリバリに緊張したから、やっぱりそこは自分の力が発揮できないものだと思ってやらないと。
――なるほど、それぐらい緊張するもんなんですね。塙さんの本『言い訳』に、M-1は初出場コンビが有利だと書かれてました。実際に歴代優勝者は半分以上が初出場者です。まだM-1に出たことがなくて、もし出たら優勝があり得るんじゃないかというコンビはいますか?
塙 「からし蓮根」も「たくろう」も可能性はありますよね。
――からし蓮根はどういったところが面白いと思いますか?
塙 まぁ弱点がないですよね。新しさはないんですけど、いちばん圧力が強いスタイルでやってます。王道で真正面から来て勝てるコンビはあんまりいないんですが、今年3月の「ytv漫才新人賞決定戦」で優勝したんですよ。審査員をやったんですけど、やっぱり抜けてましたね。
去年の優勝が霜降り明星で、この流れから来たら、からし蓮根も可能性としてありますね。
――たくろうはボケの赤木裕さんが挙動不審な感じで、ぼそぼそとボケ続け、ツッコミのきむらバンドさんが、すかしたりツッコんだりする一風変わった漫才スタイルです。どういったところで優勝を期待しますか?
塙 たくろうはまだ全然知られてないでしょうから、すごくチャンスだと思いますね。あのネタで出てきたら「なんじゃこれ?」ってなると思います。技術としては、ああいう漫才を「やれ」って言われても難しいんです。それが普通に面白いですから。実はめちゃくちゃうまいし。
圧があるのが、からし蓮根だとしたら、圧がないのがたくろうですよね。そこの好みというのは絶対あると思いますけど、たくろうみたいなコンビが優勝すると、流れが変わって、またそういう圧力のない人たちがフィーチャーされるかもしれません。
――去年優勝した霜降り明星は圧があるスタイルでしたから、今年たくろうが優勝すると、また流れが変わるかもしれないと。
塙 そうですね。たくろうは実際に見て、面白かったですから。
※塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)発売中
取材・文/インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・お笑いジャーナリスト