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こだわりの『グランメゾン東京』木村拓哉は☆☆☆を守れるか?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.10.27 06:00 最終更新日:2019.12.14 14:56
冒頭わずか10分。メリハリのある画面作り、息もつかせぬスピーディなストーリー展開に圧倒されたのが、木村拓哉主演の『グランメゾン東京』(TBS系、日曜21時~)だ。
のっけからセーヌ川、凱旋門と、誰もが知っているパリの美しい街並みが現れる。清潔感あふれる広々とした厨房で忙しく立ち働くシェフたち、色とりどりの食材、日仏首脳会談の要人たちを乗せた車列などが短くインサートされ、エッフェル塔を見つめる尾花夏樹(木村拓哉)がバックショットで登場する。
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真っ白なエプロンをパサッと身に着け、厨房へ向かうと、自分のレシピ通りに作らないシェフをフランス語で厳しく叱りつけ、料理の腕を披露する。
だが、そこでいきなりのハプニング。ナッツアレルギーの大臣が最初の料理を口にした途端、その場で倒れ伏す。一体、誰がナッツを混入させたのか――?
その謎を残したまま、画面は一転、3年後になる。落ちぶれて何者かに追われる尾花が、パリ4区のミシュラン☆☆☆レストラン『ランブロワジー』に再び働きたいとやってきて、のちにパートナーとなる早見倫子(鈴木京香)と出会う。
「画面の隅々まで美しい」「行ったことあるとこばっかでめっちゃ親近感わく」「キムタクやっぱりかっこいい」とネットでの評判はまさに☆☆☆。視聴率も、野球中継でスタート時間がずれたにもかかわらず、まずまずの12.4%。
実際、『ビストロスマップ』を想起させる木村拓哉の料理の手際のよさも素晴らしい。ロケ現場の『ランブロワジー』は、1988年から☆☆☆を維持し続けている世界最高峰の王道フレンチレストランだ。
料理の監修も2007年から12年連続で☆☆☆を取り続けている品川のフレンチレストラン『カンテサンス』の岸田周三シェフと、すべて本物にこだわって制作されている。
このこだわりが、キムタク好き、ブランド好き、グルメ好きなアラサー、アラフォー女子の心を鷲掴みにする。
『シャーロック』『まだ結婚できない男』など、期待度の高かったドラマが、第2話目で軒並み視聴率が2%以上もダウン。はたして『グランメゾン東京』はこのまま☆☆☆をキープできるのか、ドラマウオッチャーの晴川日月奈氏に聞いてみた。
「私の中では☆☆☆確定です。年齢を重ねて、いろいろな経験をしてきたせいか、木村さんの演技がすごく自然に感じられました。パートナーになるのが、鈴木京香さんという年配の女性というのも好感が持てます。演出家も『アンナチュラル』や『グッドワイフ』の塚原あゆ子さんですから、光や影の使い方がすごく上手で、思わず画面に見入ってしまいます」
ただし、ひとつ懸念材料があるという。2015年に公開された映画『二ツ星の料理人』のパクリだとの指摘だ。トラブルでパリのレストランを首になった天才シェフが昔の仲間を集めてミシュラン☆☆☆を目指すというストーリーは、そのまま『グランメゾン東京』にあてはまる。
「脚本家の黒岩勉氏は、これまでも伊藤英明主演の『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)が映画『ゴーン・ガール』、上戸彩主演の『絶対零度 未解決事件特命捜査』(フジテレビ系)が海外ドラマ『コールドケース 迷宮事件簿』のパクリと言われました。
確かに酷似してるとは思います。でも、多くの視聴者は映画を見てないでしょうから、それほど問題にならないと思います。レシピは同じでも、食材や料理人によって味は変わる。それと同じで、視聴者は提供された料理がおいしければ、素直にそれを絶賛すると思います」(晴川氏)
20年以上芸能界でトップを走り続けてきた木村拓哉は、間違いなくミシュランでいえば☆☆☆だ。本人も周囲も☆を落とすわけにはいかないと躍起になって当然。パクリだろうと何だろうと面白いものを作らなければならない。視聴率を取らなければならない。
「ここにいる全員で☆☆☆を取ろう!」
尾花のライバルシェフ・丹後学(尾上菊之助)の言葉が思い出された。
制作サイドの思いを意識してドラマを見ると、あらゆる台詞がドラマ作りと重なる。早見倫子のセリフの「ミシュラン」を「視聴率」、「料理」を「ドラマ」に置き換えてみるといい。
「味の基準は人それぞれです。一番おいしい料理を決めるなら客観的な基準が必要ですよね。今の料理界で一番注目されてて、信頼されてる基準、それがミシュランでしょ。だったらミシュランの☆で勝負するしかないですよね」
はたして、『グランメゾン東京』の快進撃は続くか。第2話は10月27日のオンエアだ。