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『同期のサクラ』高畑充希とともに視聴者が勇気づく「言霊」の妙

エンタメ・アイドル 投稿日:2019.11.13 11:00FLASH編集部

『同期のサクラ』高畑充希とともに視聴者が勇気づく「言霊」の妙

 

 高畑充希主演の『同期のサクラ』(日本テレビ系、水曜22時~)が、毎回泣ける、とネットで話題だ。

 

《泣けるからいいドラマとかそういうんじゃないけど来週も泣く予感しかない》
《面白い…!!し、毎回刺さる。そして泣ける》
《社会の理不尽さがリアルで見ててつらくなるけど、同期のサクラ毎回泣ける》

 

 

 口コミの力も手伝ってか、視聴率も初回は8.1%と1桁台で始まったものの、第4話で11.5%、第5話で11.8%とじわじわ数字をあげている。

 

 ドラマは、故郷に橋を架けることを一途に夢見て花村建設に入社した主人公、北野サクラ(高畑充希)と、同期の月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)の10年間を、1話1年のペースで描いていく。

 

 2019年現在、病院で意識不明のサクラの枕元に誰かが見舞い、そこから過去に遡る形式を毎回踏襲。

 

 第1話は5人の出会い、第2話からは同期ひとりひとりに何らかのトラブルがあって、それに対してサクラがサクラなりのやり方で励まし、立ち直らせようとするが、喧嘩になったり、心を開いてもらえなかったりでうまくいかず、サクラ自身も悶々となる。

 

 家に帰り、助けを求めるかのようにじいちゃんにFAXを送ると、じいちゃんから心を打つ “名言” が送られてくる。第5話に送られてきた名言は、

 

《そいつがダメなのは
結局
勝ち負けにこだわってるからだ》
《大切なのは》
《「勝ち」より「価値だ」》

 

 じいちゃんの言葉に再び元気を取り戻したサクラは、これまで以上に相手のために必死になり、最終的にサクラの気持ちを受け止めた相手がトラブルに自ら立ち向かい、一回り成長する。

 

 第5話の木島葵(新田真剣佑)で同期を一巡し、同期全員がサクラに好意と信頼を抱き、絆は深まった。

 

 だが、社内的にはサクラの余計な一言が問題視され、サクラは子会社へ出向の憂き目を見る。心配した同期が本社を出ていくサクラを追いかけてくるが、サクラは言う。

 

「気にしないでください。だって、夢がひとつ叶いましたから。私には一生信じあえる仲間ができました」

 

 そして、さらに第1話から欠かさず繰り返してきた夢を語る。

 

「でも……私にはまだ夢があります。故郷の島に橋を架けることです。一生信じあえる仲間と、たくさんの人を幸せにする建物をつくることです。それだけはどんなことがあっても、あきらめるつもりはありません」

 

 ドラマウオッチャーの晴川日月奈氏は、繰り返される言葉の力についてこう語る。

 

「言霊って絶対にあります。プラスのエネルギーを持つ言葉を口にすることで、無意識のうちに思考が前向きになり、夢や理想に近づくことができます。サクラの言葉を繰り返し聞くことで、視聴者の耳に、心に、その言葉がしっかりと刻まれる。そして視聴者自ら、無意識のうちにそれを心の中で反芻し、癒され、元気になれる」

 

 さらに晴川氏は続ける。

 

「作り手は常に、ドラマにカタルシスがあるかどうかを考えます」

 

 カタルシスとは、「心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化されること」だ。

 

「脚本家の遊川和彦氏もスタッフも、長年の経験から、どうやったら視聴者をカタルシスへ導けるのかよくわかっています。じいちゃんの言葉を台詞ではなく、FAXで、それも毛書の大きな文字で、視覚に訴える。

 

 視聴者が心を揺さぶられる瞬間に、森山直太朗『さくら(二〇一九)』を挿入し、聴覚にも訴える。

 
 視聴者自身、ふだんの生活で辛いことや苦しいことがいっぱいあって、それを口にすることもなかなかできないでしょうから、このドラマを見ることで、感情が解放され、涙し、気持ちが浄化されるんです。

 

 泣いた後、すっきりした気持ちでまた自分の日常に帰っていける。ドラマ本来の力を最大限発揮しているのが『同期のサクラ』かもしれませんね」(晴川氏)

 

 今夜放送の第6話は、人事部の直属の上司、すみれ(相武紗季)がクローズアップされる回となる。ハンカチを準備して、オンエアを待とう。

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