お笑い界の世代交代については、どのように見ているのだろうか?
「たけしさんや、さんまさんの次は誰かって考えると、やっぱり松っちゃん(松本人志・56)とか、ウッチャン(内村光良・55)になるのかな。
松っちゃんは、吉本の闇営業問題のときもリーダーシップを発揮して、偉かったよね。彼がデビューしたころから何度も一緒に仕事したけど、松っちゃんは、いい人ですよ。とってもやる気がある。
ダウンタウンには、初期の “やまかつ”(『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』1989年~1992年)にも出てもらったしね。ウッチャンは、『紅白歌合戦』の総合司会してるもんね。
私たちお笑いの人間は、もともと歌手の方の司会をしたりとか、番組を盛り上げるとか、本来、脇の仕事がメインだったの。それを考えたら、お笑いのウッチャンがNHKの、それも『紅白』の司会を務めるというのは、すごいことですよ」
かつての後輩で、すっかり売れっ子となった有吉弘行(45)についても聞いた。
「ダチョウ倶楽部の『(上島)竜兵会』でしょ、彼は。“かわいこちゃん” なのよ、有吉って。ダチョウの肥後ちゃん(肥後克広)がさ、有吉を気に入って養子縁組しようとしたぐらいなのよ、マジで。有吉は、そのくらい、かわいらしい性格なの。
私にとっては太田プロの後輩だし、釣りに行ったりすることもあったけど、なんもできずにボサーッとしてんのよ。かと思えば、大きい鯛を釣ったり、やっぱり “持ってる” んですよ」
いまの有吉のブレイクぶりには素直に驚いているという。
「びっくりですよね。なんの芸もないんだけど、かわいこちゃんだし、ちょうどいいポジションなのよ。そうか、次代を担うひとりは有吉かもね。有吉は頑張ってる。
あと、女子だし元アイドルだけど、さっしー(指原莉乃・27)はバラエティ向きだよね。頭もいいし、回しもうまい。『彼女には、もっと冠番組を持たせてあげたらいいのに』と思う」
それ以外でも、女性芸人には着目している。
「女芸人って、前までは『汚ない人ばっかりだ』と思ってたけど、最近は、ちょっと笑っちゃうコもいるのよ。ゆりやんレトリィバァ(29)とか、ガンバレルーヤ・よしこ(29)、とかね。かなわないわ。ひどすぎる(笑)。あそこまでいったらすごいよ。
ゆりやんなんて、水着で外国の番組にまで出て、ウケてたでしょ。そりゃウケますよ、へんな物体だもん。よしこのすごさは……うーん、すべて。もはや、ほかの職業にはいけないでしょ(笑)」
みずからも含めて、芸人の引き際については、どう考えているのだろうか。
「上岡(龍太郎)さんなんかは、まだ仕事も全然あるときに、スパッとやめたじゃないですか。すごいけど、あんなふうには生きられないですね。私自身は引き際とか、あまり考えてないですね。ブームは去った、ぐらいにしか思ってないです。
私、いちばん多いときは週のレギュラー14本に、特番を加わえて16本とかやってたんですよ。当時、男を入れても、あれだけの番組やってたのって、私以外いないんですよ。
移動中に意識を失いながら歩くこともあったし、『過労死って、どのくらいで死ぬのかな』って、よく話してましたよ(笑)。まあ、どっかおかしかったよね、あのブームは」
最後に自身の近況を聞いた。
「いまはね、毎日ふざけたことしか考えてないの。朝起きてから寝るまでに、『どれほどへんなことできるか』が勝負。楽しいよ(笑)。
11月に友情出演させてもらった舞台でも、エンディングまで1時間くらい時間があって暇だから、最後のカーテンコールで毎回扮装して出ていったのよ。共演者にもバレないように控室で仕込んで。
それが客にウケるもんだから、どんどんハードル上げちゃって、最後は白鵬で終わってたの(笑)。くだらなすぎて涙出るくらい自分でも笑ったけど、素晴らしい出来だったね。『私の人生、最高だな』って思いました」
山田は、「死ぬまでバカをやる第一人者でありたい」という。
「だって、誰に頼まれてやるわけじゃない。職業だもん。いつまでもバカやりたいですね。たけしさんもあの年で、急に顔に何か描いて出てきたりするでしょ。
昔はみんな、宵越しの金は持たないとか、野垂れ死ぬことに憧れや美学があったけど、いまはタバコもやめて、健康に気を遣ってるからね(笑)。同じ時代を一緒に駆け抜けたみんなとは、『死ぬまでバカやっていきたいな』って思うし、同窓会もやりたいですね」
(週刊FLASH 2020年1月7・14日号)