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升毅、ぬる燗片手に語る俳優人生「実はアイドル志望で…」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.02 11:00 最終更新日:2020.01.15 20:31

 

升毅、ぬる燗片手に語る俳優人生「実はアイドル志望で…」

「売名行為」を結成したの30歳のころ

 

 30歳のときに、仲間たちと演劇ユニット「売名行為」を旗揚げ。中島らも氏らが脚本を担当し、シュールな笑いで人気を呼び、最終公演は3000人もの観客が詰めかけた。

 

 1991年には劇団「MOTHER」を立ち上げる。生瀬勝久(劇団そとばこまち)、古田新太(劇団☆新感線)らとともに、関西の演劇シーンを牽引する存在となった。

 

「大阪では劇団同士でコラボしたり、みんな仲がよかったんですよ。『新感線』の稽古場があった、扇町ミュージアムスクエアの近所で飲んだりね。

 

 それが東京に来たら、みんな、よその劇団の悪口言うでしょう(笑)。演劇雑誌に取材してもらうと、僕らは嬉しくてあれこれしゃべるけど、東京の劇団の人はクールでねえ……」

 

 1995年に上京して初めての出演ドラマ『沙粧妙子―最後の事件―』(フジテレビ系)では、浅野温子演じる刑事の元恋人で、快楽殺人者という役柄を演じた。

 

「大阪で20年やっていたから、初めて東京のドラマに出たときは、すごいアウェー感でした。『こいつ誰だ?』って目でずっと見られててね。

 

 でもワンシーン撮って、OKが出た瞬間、『あっ、こいつできるんだ』みたいな、温かい空気を感じたんです。その瞬間、『劇団ではなく僕単品でも、東京でやっていける』と思いました」

 

 すぐに仕事が増えて、東京での映像の仕事と、大阪での演劇活動との両立が難しくなっていく。

 

「『MOTHER』で座長を務めて11年。2002年に解散するときは、めちゃくちゃ寂しかった。でも、『いいときにやめる』という快感もあったんです。だから踏ん切れた、思い切れたんだと思います」

 

 人気劇団の座長だった男はいま、名脇役として、ほかの役者とともに、作品を築き上げていく。NHK朝ドラ『あさが来た』(2015年)でのヒロイン(波瑠)の父親役など、当たり役にも恵まれた。

 

「いまは、若い方への対抗意識もない。ありのままの姿で演じています」と語る升。しかし、演技への “欲” は涸れることはない。

 

「最近、アメコミにハマってるんです。『アベンジャーズ』『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』……。NETFLIXなんかで毎晩観ていて、寝不足です(笑)。

 

 それでヒーローものを好きだった自分を思い出して、『アメリカのスケールの大きい作品に出たい』と欲が出てきました。そう公言していれば、どこかで何かが起こるかもしれないでしょ(笑)」

 

 酒はぬる燗。心はいまも、熱々だった。


ますたけし
1955年12月9日生まれ 東京都出身 1975年『紬の里』(NHK)で俳優デビュー。1985年に演劇ユニット「売名行為」を結成。1991年に解散、劇団「MOTHER」を立ち上げ、2002年の解散まで主宰・座長を務める。1995年に『沙粧妙子ー最後の事件ー』(フジテレビ系)で注目を集め、その後も、ドラマ『あさが来た』(NHK、2015年)、主演映画『八重子のハミング』(佐々部清監督、2017年)など、多数の作品に出演

 

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(週刊FLASH 2019年12月10日号)

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