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有村架純「向いてないのかな、と思うことはいっぱいあった」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2016.07.06 11:30 最終更新日:2016.07.06 11:30

有村架純「向いてないのかな、と思うことはいっぱいあった」

 

 男と同じ布団から気だるげに起き上がる。身につけているのはぴったりとした白のタンクトップに水色の下着だけ……。有村架純(23)の最新主演作、映画『夏美のホタル』(公開中)は思わずドキリとする場面から始まる。

 

「じつはいちばん苦労したシーンです。微妙な関係になりつつある恋人同士の雰囲気を出す必要があったので。何度も何度も、撮り直しをしました」

 

 監督は映画『ストロボ・エッジ』でもタッグを組んだ廣木隆一。のどかな川辺の森にある一軒のよろず屋を舞台にしたヒューマンドラマだ。

 

「3年前、プライベートで原作の小説を読んでいました。私、もともとサスペンスやホラーよりも心温まる物語が好きなんです。もし映像化されるならこんなふうに演じたいって考えながら読んでいました。お声がけいただいたときは本当に嬉しかったです」

 

 映画のテーマの一つは夢を追いかけること。彼女も今まで女優の道を諦めかけたことがあったという。

 

「向いてないのかな、と思うことはいっぱいありました。うまくいかないとき、人に矢印を向けるより、ひたすら自分に矢印を向けてしまいます。なんでできないのだろう、私がダメなんだって。でもそのうち、そんなふうに思えることが悔しくなってくるのです」

 

 主人公の夏美は写真家志望の学生。バイクにまたがり、撮影のために一人でキャンプをするほど活動的だ。

 

「私は、夏美ほど勢いよく動けないタイプ。どこかで立ち止まって考えてしまう。演技でも、撮影前に台本を読み込んで、この役はどんな人物なのか、どんな気持ちなのか理解しておきたい」

 

 だからこそ、『夏美のホタル』は彼女にとって一つの挑戦だった。

 

「台本にト書きがほとんどありませんでした。シーンごとに、夏美がどこで何に悩んでいるのかわからない。監督さんに相談したら、『何も考えないで現場に来て』と言われました。それが逆に課題でしたね(笑)。

 

 怖かったけど、学べることも多かったです。現場での役者さんとのキャッチボールで気持ちが生まれ、自分のプランに固執しないようになりました」

 

 作品を通じて学べたことがもう一つ。

 

「原作者の森沢明夫さんとお話ししていたとき、なにげなく『私って運が良いんですよ』と言ったんです。そしたら森沢さ んが、『運が良いと言っている人は、周囲に感謝をしている。逆に運が悪いとぼやいている人は、知らず知らずのうちに周りのせいにしてしまい、運が寄ってこない』と教えてくれて。すごく深い言葉だなと思いました。だから私、これからも感謝をこめて言いたいです。『私、運が良いんです!』」

 

<『夏美のホタル』とは>

 原作は森沢明夫の同名小説。写真家を目指す夏美は、亡 き父との思い出の森であてもなくカメラを構えていた。 偶然立ち寄ったよろず屋「たけ屋」。年老いた母と独り 身の息子の営むその店で、夏美はひと夏を過ごすことに 決めた。「たけ屋」の老親子、仏師の雲月、地元の子供 たち。彼らの優しさと温かさのなかで、シャッターを切 る夏美。そして、ある出来事をきっかけに、家族の絆と 親から子へと受け継がれる思いを知ることになる。

 

(週刊FLASH 2016年6月28日号)

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