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堀内孝雄『君のひとみは10000ボルト』それは1枚の紙から始まった

エンタメ 投稿日:2016.10.31 20:00FLASH編集部

堀内孝雄『君のひとみは10000ボルト』それは1枚の紙から始まった

 

 銀座にある資生堂本社の会議室。

 

「わが社で検討した結果、次のCMのテーマをお伝えします。ただし、化粧品メーカーが競い合っている状況なので、内密にお願いします」

 

 そして、担当者が茶封筒の中から白い紙を1枚取り出した。そこにはマジックで『君のひとみは10000ボルト』とだけ書かれていた。

 

「覚えていただきましたね?」と堀内さんに確認すると、その紙をすっと封筒に戻した。

 

「帰宅してチンペイ(谷村新司)さんにタイトルを伝えたら、『それで詞を作るの?』って驚いていました。資生堂さんからはそれ以上、何も言われてなかったんです。

 

 で、後日、チンペイさんが仕上げてきた歌詞は、すごくキャッチーでインパクトがあった。曲のイメージが膨らんで、お風呂場でサビのメロディが浮かんで。

 

 歌の神様が味方してくれたな、と思いましたね。『冬の稲妻』(アリス)のメロディを思いついたときのような手応えがありました」

 

 このCM曲は、もともとフォークグループの「アリス」に発注されたものだったが、谷村さんが過労のため休養となり、思いがけない形で、堀内さんのソロデビューの機会が訪れたのだった。

 

「いろんな偶然が重なって生まれた曲。僕にとっては、あの時代を思い出させてくれる宝物です。歌が完成したとき、何度も自分で歌ってた。発売前に、僕の中で大ヒットしてたんです」

 

<堀内孝雄『君のひとみは10000ボルト』>

1978年8月5日発売
作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄
●売上枚数:96.9万枚(1978年)
●ザ・ベストテン初登場:1978年9月14日9位
●最高位:2位 
●連続ランクイン:12週

 


カラオケ・ワンポイント・アドバイス!>

 レコードは、ディレクターの指示で全般的に「ドスを利かせて」歌ったものです。サビはそれでもいいかもしれないけど、出だしは軽く軽快に歌いましょう。出だしのメロディとサビで落差がつくといいですね。

 

<堀内孝雄>

 1949年大阪府生まれ。66歳。1971年、アリス結成。『愛しき日々』ほかヒット曲多数。45周年記念両A面シングル『空蝉の家/石をつらぬく滴であれ』発売中。来年3月、大阪(3月20日、森ノ宮ピロティホール)と東京(3月25日、日本橋三井ホール)で「堀内孝雄45thアニバーサリーコンサート2017」を開催

 

(週刊FLASH 2016年10月25日号)

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