世間の人に嫌われてもテレビには出られる
僕がテレビでしゃべってると、世間では「毒舌」とかって言われたりするんですけど、僕のなかではそういう感覚はないですね。たとえば、「夢はかなわへん」っていうのも、言い方が怒ってるから毒舌やと思われてるだけで、僕のなかでは確固たる正義がありますから。悪いヤツは悪い、いいヤツはいい、アイツを守りたいからこういうことを言う、って裁判にかけられても答弁するつもりはあります。そういうのじゃなければ僕は言ってないですから。
あとは、番組が円滑に進むように、っていうのもありますよね。僕が罵倒することによって輝くグラビアアイドルのコもいるでしょうし。僕がそれをしなかったら、このコずっと黙ったままかもしらんな、とか。罵倒することによって、この人が目立って僕も前に出られる、という戦法ですよね。
昔、一般の方で「私、やしきたかじんのことがめっちゃ嫌いやねん。でもね、たかじんの番組全部観てまうんですよ」って言うてる人がいて。それを聞いたときにハッと気づいたんです。ああ、世間の人に嫌われてもテレビに出られる可能性があるんや、って。
好感度を上げるという競技って競技人口がめっちゃ多いし、山口もえさんみたいな人には僕は勝てないじゃないですか。あんなにかわいらしくて、ええとこのコで、ホワンとしたしゃべり方で、っていう人にはかなわないんですよ。それだったら、逆サイドに振ったほうがいいかな、っていう捨て身の竹槍戦法です。俺はこのスタイルを見せたいんや、っていうことではなくて、家族を食わすため、全国に新喜劇を広めるための苦肉の策ですね。僕みたいな芸人がテレビ出させてもらったら、そのギャラぶん、一人前の仕事をしないとなと思います。
(FLASHスペシャル グラビアBEST 2015年11月25日号)