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【もう一度見たいバカ番組】(1)入れ歯が落ちた素人をスターにした『元気が出るテレビ!!』
エンタメFLASH編集部
記事投稿日:2016.06.11 14:00 最終更新日:2016.06.11 14:00
1980~1990年代に一世を風靡した『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』は「天才バカ企画」の代表作。ビートたけしとテリー伊藤という2人の天才がタッグを組んだ伝説のバラエティ番組だ。
「当時は2人ともキレッキレ。まるでダルビッシュとマー君みたい」と証言するのは、『元テレ』の名物企画「予備校シリーズ」で放送作家デビューした、そーたにさんだ。
後に『進め!電波少年』の「Tプロデューサー」として活躍する日本テレビの土屋敏男さんも熱く語る。
「テリーさんをそばで見ていて、突出した番組は、企画会議ではなく、作り手が持つ狂気のエネルギーと創造性から生まれると知りました。
たとえば『聖人ガンジーオセロの奇跡』は謎の多いインドの面白さに惹かれたテリーさんの思いつきで始まった。インドの超能力者に続き、泉重千代、謎の中国人拳法家、大仏魂が出てきて『なんじゃこりゃ』と。視聴者は度肝を抜かれて大喜び」
そーたにさんが推す天才バカ企画は「エンペラー吉田」だ。
「テリーさん独特の嗅覚が見出したキャラクター。もとは福島の村おこし企画で、村の有志のなかにいた吉田十三さんというおじいさんが終始小刻みに揺れているのを見て、テリーさんが『あの人いいなあ』と注目した。長々とインタビューすると『偉くなくとも正しく生きる』と言いながら入れ歯が口から出ちゃった。スター誕生の瞬間です」
もうひとつの「推し」は「どっきり!すべり台雪見風呂」。スキー場に露天風呂を設置して、脱衣所からすべり台を滑って露天風呂に入るはずが、そのままゲレンデに放り出されるドッキリだ。
「風呂に入るつもりの人がゲレンデの斜面を全裸で滑るバカバカしい映像だけど、テリーさんは『それじゃ足りない』と。なぜか審査員に矢追純一さんをおいて、競技のようにタイムを計り、滑りを審査させた。これでもかとくだらないことを足して笑いを膨らませるところがすごいと思いましたね」
(週刊FLASH 2016年5月24日号)