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【もう一度見たいバカ番組】(4)有名人の豪邸でウンコするため下剤を飲んだ『電波少年』
エンタメFLASH編集部
記事投稿日:2016.06.13 07:00 最終更新日:2016.06.13 07:00
『進め!電波少年』を企画演出した土屋敏男さんは『元気が出るテレビ』のディレクターとして番組に関わり、テリー伊藤の番組作りにかける姿勢を目の当たりにした。『電波少年』に「Tプロデューサー」として君臨した土屋さんの「天才バカ企画」の原点とは。
「テリーさんと萩本欽一さんを近くで見て『誰が何といっても俺が番組を背負って、死んでも面白いものを作ってやる』という熱量がなければ、ヒットは生まれないことを思い知った」(土屋さん)
『電波少年』は“3カ月間のつなぎ番組”として始まった。
「すぐ終わるから、好きなことをやろう」(同前)と、視聴率度外視でやったのがよかったという。
MCに起用したのは、松村邦洋と松本明子。まだ無名だった2人は「このチャンスに何でもやってやる」という怖いものなしのパワーと熱量があった。
その突撃精神が「アポなし企画」だった。そーたにさんは放送作家としてこの番組に携わり、アポなしロケの現場にも頻繁に立ち会っている。
「松ちゃんは『チーマーを更生させよう』と渋谷に乗り込むんだけど、ほとんどやられるために行ってた。『有名人の豪邸でウンコがしたい』シリーズでは、下剤を飲んだ松ちゃんが豪邸に着くまでに我慢できなくなった。『ここでやらせてくれ』って車内でしようとするのを『ダメだ』とディレクターが制して、本気でケンカしてましたね」
『電波少年』の総責任者である土屋さんの仕事は、企画演出と並んで、そうした内外の揉め事に対処することだった。
「警察にお叱りを受けるのは『電波少年』の宿命。署に呼ばれて『警察をなめてるのか!』と叱られることもあった。『私の父は警察官です。調べていただければわかります。父の仕事を“なめる”なんてとんでもありません』と本当のことを言うと『そうだったのか』と急に和やかになった(笑)」(土屋さん)
ヒット番組は人気スターを起用する方法もあるが、無名性のパワーを使う方法もあることを『電波少年』は示した。
「未熟性の魅力と、誰も見たことがない映像。これからもそういう番組はどんどん生まれるはずです」(同前)
(週刊FLASH 2016年5月24日号)