
三谷幸喜(写真・共同通信)
10月8日、『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系、以下「もしがく」)の第2話が放送されたのだが、評価に大きな変化が見られた。
「物語は1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、脚本を手がけた三谷幸喜さん自身の半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。10月1日スタートの初回では、あまりの横暴ぶりに劇団から追放された演出家の卵・久部三成(菅田将暉)と、これから運命をともにするストリップ劇場『WS劇場』との出会いが描かれました」(芸能記者)
三谷にとって、民放の連続ドラマの脚本を担当するのは25年ぶり。だが、そんな期待とは裏腹に、1話を見た視聴者は、菅田をはじめとする豪華キャストが次々と登場するストーリーに困惑。早々と “脱落” する人もいたようだ。
「劇場のダンサー役の二階堂ふみさん、放送作家役の神木隆之介さん、神社の巫女役の浜辺美波さんなど、20人以上が一気に登場し、シーンが頻繁に切り替わりました。彼らの “顔見せ” の意味もあったのでしょうが、肝心のストーリーが頭に入ってこないと、不評を買ってしまいました」(同)
ところが、第2話が放送されると一転、Xユーザーは意外な反応をみせた。
《第2話までが第1話でしょ》
《ここまでが1話だったら良かった》
《初回2時間SPで一気に1・2話放送していたら、また違った》
と、「もしがく」がついに真価を発揮したのではないかと、好意的にとらえる声が激増したのだ。このリアクションについて、先の芸能記者がこう語る。
「第2話の最後になって、ようやく廃業の危機にあるWS劇場を芝居小屋にしようと久部が熱弁、周囲も賛同するという、物語が動き出す描写があったのです。
通常のドラマでは、1話めで多くの視聴者を惹きつけ、2話め以降も続けて見てもらえるように注力しますが、三谷さんは最近のそうした作り方に辟易としているのかもしれません。
むしろ “逆張り” することで視聴者を試し、ふるいにかけている感さえある。そんななか、2話めも見た人は、今後さらに面白くなることを確信したに違いありません」
ただ、初回は30分拡大、今回の2話も15分拡大。視聴するカロリーは高いため、
《間延びして万人ウケしなさそうって思った》
《このテンポの悪さはなんなんだろ。15分延長でも間延びしてる感じ》
といった指摘もある。
「三谷作品の真骨頂は、複雑にからみあった伏線を回収していく予想外の展開にあります。つまり、一見 “間延び” していて不要だとも思えるシーンでも、実は後々、別のシーンにつながっていることもある。
じっくりと物語を紡ぐ、書き手としての矜持を “醍醐味” として付き合うか、“間延び” と斬り捨てるかは、見ている人次第ということでしょう」(同)
ただ、2話目の視聴率は世帯4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、個人2.3%だったことが判明。第1話が世帯5.4%、個人3.1%だったことから、すでに視聴者離れは進んでいるようだが……はたしてV字回復はあるか。