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『102回目のプロポーズ』恋愛ドラマの金字塔「続編」が凡作になり下がったワケ…唐田えりかは「狂おしい感情」をどこまで表現できるのか

芸能 記事投稿日:2026.06.03 11:00 最終更新日:2026.06.03 11:05

『102回目のプロポーズ』恋愛ドラマの金字塔「続編」が凡作になり下がったワケ…唐田えりかは「狂おしい感情」をどこまで表現できるのか

唐田えりかが劇場の表玄関で「ファンサービス」(写真・伊藤 修、2022年11月)

 

 武田鉄矢と浅野温子がダブル主演して、最高視聴率36.7%を記録した1991年の大ヒット恋愛ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)。その続編『102回目のプロポーズ』(同)の第8話が、5月27日(水)に放送された。

 

 物語は大きな動きを見せているが、率直に言って前作ほどの “名作感” は皆無で、凡作レベルにとどまっているのが残念で仕方ない。

 

■前作のオマージュ展開には好印象

 

『102回目~』は唐田えりかと霜降り明星・せいやによるダブル主演作。

 

 前作主人公である星野達郎(武田)といまは亡き妻・薫(浅野)の娘である星野光(ひかる/唐田)に、不器用ながら真面目で一生懸命な非モテ男・空野太陽(せいや)が恋をする物語だ。

 

 チェリストの光には、楽団で出会った人気ピアニストの婚約者・大月音(おと/伊藤健太郎)がおり、太陽にとって最大のライバル。音は端正な顔立ちでピアニストとしての実力も高く、なおかつ大企業の御曹司でもあるという、非の打ちどころのないパーフェクな人物である。

 

 そんな音は、裏の顔があるとか光を騙しているとかそういったことはなく、誠実にまっすぐ光を愛している好青年のため、どうやっても太陽に勝ち目はないと思われていた。

 

 けれど、音は膵臓がんを患っていることが発覚し、余命3カ月と宣告されてしまう。音は光にも家族にもがんのことは隠していたのだが、第8話で対峙した太陽と男同士腹を割って話すことになり、太陽にだけ余命が短いことを告白するという展開だった。

 

 筆者は、このストーリー自体は悪くないと思っている。

 

 主要キャラが大病を患うというのはありきたりではあるものの、浅野温子演じる前作ヒロイン・薫もピアニストの婚約者を亡くして絶望していたため、今作ヒロイン・光も同じ道をたどるという展開は、前作のオマージュとして受け止められたからだ。

 

 また、薫の婚約者は物語スタート時点でもう亡くなっていたが、今作は光と音の恋愛関係をじっくり描いた後に音が他界することになるため、ただ単に前作を模倣するだけでなく、差別化も図れているのは好印象。

 

 悲しみに暮れるヒロインの心情をより深くまで掘り下げて描けるだろうから、このアウトラインは続編としてアリだと感じた。

 

■毒にも薬にもならないヒロイン

 

 しかし、それでも筆者はこの続編を凡作だと評している。

 

 せいや演じる太陽の性格やコミカルさは個性的で好感が持てるのだが、一方で唐田演じる光、伊藤演じる音のキャラクター造形がとても凡庸だからである。

 

 一言で言うと、光は清廉潔白で可憐、音はやさしいジェントルマン。2人とも素晴らしい人格者ではあるが、エンタメ作品のキャラクターとして考えると毒にも薬にもならないので、魅力が薄い。光も音も個性が薄いので、悪い意味でただの美男美女カップルでしかないのだ。

 

 特に唐田演じる光は、どうしても浅野演じる前作ヒロイン・薫と比べてしまうため、無難すぎて見劣りしてしまう。

 

『101回目~』の浅野温子は、その独特な存在感がとにかく圧倒的でヤバかった。薫は最愛の人を亡くした悲しみを背負っている役だったが、浅野による表情や仕草、間の取り方など、どこを切り取っても薫の狂おしい感情が常に滲み出ていたのである。

 

 唐田えりかは、2024年に世界配信されたNetflixオリジナルドラマ『極悪女王』で女子プロレスラー役を体当たりで演じ、劇中のストーリーに沿って丸刈りにするという役者根性を見せつけていた。

 

 また、現在放送中の深夜ドラマ『君が死刑になる前に』(日本テレビ系)では、連続殺人犯として死刑執行されてしまうミステリアスな役を演じて好評を博している。

 

 唐田は、俳優を生業としていくという矜持を持っているだろうし、作品や役柄によっては高い評価を得られる演技力もあるのだが、『102回目~』でそれらが100%発揮できているようには思えない。

 

 もともと与えられたキャラクターの個性が立っていたり魅力的だったりすると、唐田の演技も際立つのかもしれない。だが、『102回目~』のような平凡な設定のヒロインを、唐田自身の演技によって非凡なオンリーワンの存在に昇華させるほどの実力は、まだないのかもしれない。

 

 今夜の放送は第9話。ここから数話のうちに音は亡くなってしまう可能性が高いので、そのとき婚約者を失った光をどう演じるのかで、唐田の真価が問われそうだ。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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