NHK放送センター
「率直なコメントが印象的で、視聴者に共感してもらえたのではないでしょうか。選手目線の解説も参考になり、NHKの放送を魅力的なものにしていただいたと感謝しています」
6月17日、NHKの井上樹彦会長が定例会見で、こうコメントした。15日のサッカーW杯・日本対オランダ戦の解説を務め、ファンからも絶賛された元日本代表・本田圭佑氏のことだ。
「井上会長は試合後、実況担当として本田氏とマイクの前に座った小宮山晃義アナウンサーに自ら電話をしたということですから、相当嬉しかったのでしょう」(NHK職員)
そうした高揚感に水を差すように、6月23日にNHKが発表した2025年度の決算(単体)には「減収」の文字が踊った。
「2025年度の受信料収入は、前年度より0.9%減の5851億円でした。
426億円という過去最大の減収を計上した2024年度からは大幅に縮小していますが、それでも50億円のマイナス。じつに7年連続の減収になりました」(テレビ担当記者)
その背景には「テレビ離れ」による、受信契約の減少があるようだ。「NHK放送文化研究所」が6月16日に発表した「国民生活時間調査」でも、テレビをほぼ見ない人の割合が16~19歳と20代で約7割、30代で約6割と高かった。
この調査結果を裏打ちするように、受信契約数はピークだった2019年度末の4212万から昨年度末は180万人も減少している。
NHK経営委員会も危機感を抱いているようだ。古賀信行委員長は6月23日、「個人的には」としたうえで「本当は(受信料)値上げの時期だと思う」と語っている。
「とはいえ、視聴者は受信料の値上げに敏感ですから難しいでしょう。NHKは地方の放送所や福利厚生施設など、自前で持つ不動産も多いので、SNSには『まずは、それを売却しろ』という意見も寄せられます。さらに、『職員の高い給料を減らせ』『大河ドラマの制作費を減らせ』という辛辣な意見もあったりします」(前出・職員)
家にテレビがあれば、受信料の支払い義務が発生する。そうしたことから、Xには《NHKなんてほぼ見ないのに。 はやくスクランブルにしてしまえ》《スクランブル化して見たい人だけ金払えば良い》と、視聴契約をした場合のみ受信料が発生するシステムへの変更を求める投稿が数多い。
しかし、井上会長は17日の会見で「NHKは、特定の利益や視聴率に左右されずに正確な情報や多様な番組を届ける公共放送。見られるかどうかの対価性の価値だけではなく、社会に必要な情報を伝えるため、広く視聴者が負担する受信料制度がふさわしい」と語っており、スクランブル化は否定していた。
NHKの身の振り方が、いよいよ問われているのかもしれない。
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