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「東京ドームライブを開いた今も、不安抱えて」直木賞候補・オードリー若林、盟友芸人が語る『青天』創作の原点

芸能 記事投稿日:2026.06.29 06:00 最終更新日:2026.06.29 06:00

「東京ドームライブを開いた今も、不安抱えて」直木賞候補・オードリー若林、盟友芸人が語る『青天』創作の原点

授賞式を7月15日に控えるオードリー・若林正恭(写真・梅基展央)

 

「夢中で書いた作品なので、直木賞の候補作に選ばれるとは思ってもいませんでした」

 

 お笑いコンビ・オードリーの若林正恭(まさやす・47)が2月に刊行した初の小説『青天(あおてん)』(文藝春秋)が、第175回直木賞の候補作に選ばれた。ノミネートにあたって、若林は冒頭のようにコメントしている。

 

 すでに累計発行29万部のベストセラー。この旋風に、本人も驚きを隠せないようだ。

 

「ここまで売れるとは思っておらず、周囲には『奇特な人が多いんだな』と謙遜していました。若林さんは大の阪神ファンで、『(今以上に顔が売れると)観戦に行けなくなっちゃうかも』と心配しているそうです」(テレビ局関係者)

 

『青天』は、高校のアメリカンフットボール部を題材にした青春小説。ちなみにタイトルとなった「青天」とは、タックルやブロックを受けて仰向けに倒され、空を見上げる状態を指す言葉だ。作家で書評家の印南(いんなみ)敦史氏は、同作の魅力をこう語る。

 

「文章がうまく、とくに情景描写が秀でていると感じました。印象的だったのは、主人公がクラブで泥酔して暴れる場面。ぐでんぐでんになったときに目に見えているものが、ものすごくリアルに描かれていることに驚かされました」

 

 印南氏はアメフトに詳しくないが、それでも抵抗なく読むことができたという。

 

「これは、アメフトを “装置” にした普遍的な青春小説なんです。この時期に誰もが通るモヤモヤ感、『自分は何も成し遂げていない』『何をやっても中途半端』というような思いを、見事に表現していると思いました」

 

 小説で描かれた葛藤は、 “人見知り” を公言してきた若林自身の内面とも重なって見える。若手時代から若林を知る先輩芸人のTAIGA(50)は、『青天』を自ら購入して読んだという。

 

「もしかしたら、贈ってくれるかなと思っていたんですけど(笑)。すごい小説を書いたなと思いました。若林にしかできない表現の仕方で、あいつの “いいヤツ” なところと、ちょっとひねくれたところ、カッコ悪いところまで、すべてをさらけ出すような素直さが出ていたと思います」

 

 若林は、昔から周囲が「そういうもの」と流してしまうことに疑問を持つタイプだったという。たとえば先輩にはお酌し、乾杯のときにグラスを下げる慣習にも、「なんでそうしなきゃいけないんですかね」と考える。TAIGAは、そんな性格こそが若林の創作の源泉となっているとみる。

 

「当時は、先輩に誘われたら行くべき、事務所の集まりには参加するべき、という “空気を読め” という風潮が今よりも強かったですから、そういうものに対して怒りみたいなものを抱えていたと思います。だからこそ努力できるし、あそこまで上に行けるのかなとも思います。僕からすれば、芸人として売れて東京ドームでライブを開き、家族もいて、すべてを手に入れたように見える。でも、若林は今も変わらず、満足していない。むしろ、そんな現状に不安を抱いているように見えるんです」

 

 2024年、コンビで開いた東京ドームイベントは、ギネス世界記録に認定されるほどの記録的動員を果たした。しかし、公演当日まで本人は、大きな不安のなかにいたという。別のテレビ局関係者が証言する。

 

「彼は、大きなことをやる前は必ず、弱気になる時期があるんです。ドーム公演のときも受けるプレッシャーの大きさを隠そうとせず、まわりが不安になるほどでした。エッセイが大ヒットしているのに、小説執筆には慎重な姿勢を崩さなかったのも、不安ゆえといっていいかもしれません。でも、彼はちゃんとやり遂げるじゃないですか。後ろ向きに悩んでいるように見えて、じつはとても建設的、前向きなんです」

 

■受賞の資格は十分! 映像化待望の声も

 

 では、『青天』は直木賞受賞となるのだろうか。前出の印南氏は、「受賞してもまったくおかしくない」と語る。

 

「こういう作品が受賞すれば、読書人口も広がるのではないかと思います。そして、Netflixで映像化してほしいですね」(印南氏)

 

 TAIGAも、作品がさらなる広がりを持つことを予感している。

 

「才能も努力も、人間性も含めて、もう直木賞を取ってもおかしくないところまで来た、と思います。本人に感想を伝えるなら、『これ、間違いなく映画化されるぞ。俺に役をつけろよ!』と言いたいですね(笑)」

 

 テレビやラジオで、自分の弱さや人づき合いの苦手さを笑いに変えてきた若林。その彼が、相手と真正面からぶつかるアメフトを小説の題材に選んだ。

 

「もしかしたら、若林ができなかったことへの憧れを、主人公に託して描いているような気もします」(同前)

 

 賞の選考会は7月15日。若林はどんなふうに、空を見上げるのか。

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出典元: 週刊FLASH 2026年7月7日号

著者: 『FLASH』編集部

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