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先人たちの「セカンドキャリア成功談」早期退職後に著作活動
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.25 16:00 最終更新日:2020.04.25 16:00
「人生100年時代は楽しい!」……ばかりではない。定年後も、“自分たちの生活費を、自分たちで稼がなければならない” 世の中になっているのだ。せっかくだから、再雇用などといわず、「第2の人生」に踏み出したい……。いち早く、そんな道に踏み出した先輩に、成功のコツを聞いた!
天道猛さん(66)が、35年間勤務した「ラジオたんぱ(現ラジオNIKKEI)」を早期退職したのは、定年を3年後に控えた57歳のときだった。
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「気力も体力もあるうちに、1年でも早く、退職を前倒ししたかったんです。その年(2011年)は東日本大震災があり『この先、何があるかわからない』と思ったことも、決断のきっかけになりました」(天道さん、以下同)
50代のうちに、「特定行政書士」と「知的財産管理技能士」の資格を取得。セカンドキャリアの準備は万端のはずだったが、現実はそう甘くなかった。
「ハローワークにも行きましたが、“士業” の資格は通用しませんでした。ただし、資格だけで生活することはできなくても、行政書士という資格は、著作活動の足しにはなっています」
退職後は、「やりたくないことはやらない」と決めていた。
「会社の仕事は、けっして嫌いではなかったんですが、それでも『いいな』と思ってやる仕事は、10のうち1か2。『どうでもいい』が3から5。あとの残りは『嫌だけど給料のため』。退職した後まで、そういう思いだけはしたくありませんでした」
そして、なによりこだわったのが「ワーク・ライフ・ラン・バランス」だった。
「40歳過ぎからランニングを始め、『ラン』つまり走ることが、人生の中で大きくなっていったんです。好きな時間に走れる生活を確保するのも、絶対条件でした」
現在は年金収入のほか、家賃収入、業界紙執筆の原稿料などで「現役時代と同じ程度の月収がある」と語る。また東京マラソンにボランティアとして参加するなど、ボランティアも生活の一部だ。
「仕事は、生活のためというより “生きるハリ” ですね。『暇を持て余す老人』にだけは、なりたくないので」
自身の見聞から、天道さんがセカンドキャリアの「NG」を教えてくれた(あくまで天道さんの見解)。それは「起業」「蕎麦打ち」「ペンション経営・田舎暮らし」だという。
「いずれも甘い考えで始めれば、9割は失敗します。服装に気を配らないと老け込んでしまうから、『作務衣』もNG。生活の基盤が崩れる『熟年離婚』もNGです」
(週刊FLASH 2020年3月24日号)