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肝ガンになったら約62万円「ガンの実費」自己負担はいくら?
長期化、高額化するガン治療。しかし、「高額療養費制度」をはじめとする国の制度を活用すれば、患者の負担はその一部で済む――。そこで本誌は、国立がん研究センター中央病院の事例から、実際にかかるコストを調べた。
肝細胞ガンの約65%が「C型肝炎」、約15%が「B型肝炎」の持続感染による慢性肝炎が原因だとされ、その後、肝硬変、肝ガンへと進行していく。“沈黙の臓器” といわれる肝臓は転移性の腫瘍がとても多い。定期的な検査が不可欠だ。
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血液検査、超音波検査などの検査費用は2万6790円。治療はステージにより異なり、肝切除、肝移植などの手術、抗ガン剤治療、放射線治療など、3割負担で100万円を超えるケースもある。
●国立がん研究センター中央病院の患者事例
・ガンの状態:肝細胞ガン1期、肝障害度A
・治療内容:ラジオ波熱凝固療法(5日間入院)。退院後1年間は外来で、3カ月ごとに定期検査(造影CT、血液・生化学・腫瘍マーカー)+外来受診
《検査法》
体の表面から超音波(エコー)を当て、臓器内で反射した様子から体内を観察する超音波検査では、肝臓のほか、膵臓、脾臓も見ることができる。周辺の臓器を調べるために、CT、MRI検査をする
《医療費》
ガンがそれほど大きくない場合、肝切除の手術、もしくは穿刺局所療法をおこなう。ラジオ波熱凝固療法は、先端部分が高熱になる針を直接ガンに刺し、ガン細胞を焼いて死滅させる療法。退院後の定期検査と外来は3割負担となる
写真提供&取材協力・国立がん研究センター中央病院
参考文献・『国立がん研究センターのがんとお金の本』(小学館)
※本文中・表中の「自己負担額」は、すべて【年収370万〜770万円、70歳未満】のケースです
(週刊FLASH 2020年3月31日・4月7日号)