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いまこそ知りたい「肝臓の真実」健康診断の注目数値は「A/G比」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.30 16:00 最終更新日:2020.06.30 16:00

いまこそ知りたい「肝臓の真実」健康診断の注目数値は「A/G比」

 

 サラリーマンにとって肝機能の検査結果は、「気になる数値」の定番。しかし我々は、その数値の意味を、そして肝臓のことを、本当に知っているのだろうか?

 

●Q1.そもそも肝臓とは、どんな臓器なのか?

 

 重要な臓器というイメージがありながら、ふだんあまり意識することがない、それが肝臓だ。

 

 

「心臓のように拍動しているわけでもなく、胃や腸のように体の表面からどこにあるか意識できるものではないのが肝臓です」(新潟大学名誉教授・岡田正彦氏)

 

 肝臓は、冒頭のイラストの紫色部分のように、右の上腹部の肋骨の下からみぞおちにかけて位置している。すぐ上には横隔膜を隔てて肺と心臓があり、下は腸と、そして背中側は腎臓と接する。

 

「重さは、体重の約50分の1。約1200〜1500gで、脳とともに人体最大の臓器です。肝臓には、体内の血液の約4分の1が集まっています」(栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏)

 

 また、異常があっても自覚症状があまり出ず、「沈黙の臓器」といわれる。

 

「その間に、病状が悪化してしまうことも多いんです。健康診断で異常を指摘されたら、検査で状態を把握することが、なにより大切です」(岡田氏)

 

●Q2.肝臓のおもな働きは?

 

「肝臓には、2500億個以上の肝細胞が集まり、2000種類以上の酵素がさまざまな仕事をしていることから、『体内の化学工場』ともいわれます。なかでも、おもな働きは3つ。『栄養素の代謝』『胆汁の生成』『有害物質の解毒』です」(栗原氏)

 

 肝臓は、腸から吸収された糖質、たんぱく質、脂質などの栄養素を分解・再合成して、体で使える形に変えて貯蔵する。さらに必要に応じて、栄養素を全身の細胞に送り出す。この一連の活動が、「代謝」だ。

 

「たとえば、消化管から吸収された糖質を、グリコーゲンという形に変えて貯蔵します。血液中のブドウ糖(血糖)が不足すると、グリコーゲンをブドウ糖に戻し、血液中に放出します。いざというときの『エネルギー貯蔵庫』としての働きですね」(岡田氏)

 

 また、消化液である胆汁を作り、十二指腸に分泌している。この胆汁を貯めておくのが、胆嚢だ。

 

「胆汁は、脂肪を乳化・分解し、消化を助ける役割がある大切な液体です」(栗原氏)

 

 そして、アルコールやニコチン、薬などの化学物質や有害物質を分解して、無毒化する役割も担っている。

 

「アルコールは、肝臓でアセトアルデヒドから酢酸になり、最終的には炭酸ガスと水になります」(同前)

 

 さらに肝臓には、最近話題になっている、免疫を司る細胞がある。

 

「『マクロファージ』と呼ばれる細胞が、外からの異物である細菌やウイルスを食べてしまいます。この細胞は、『大食細胞』ともいわれています」(岡田氏)

 

 どれひとつ欠けても、命に関わる大事な働きをしている肝臓。それだけに、簡単に壊れない予備能力を持っている。

 

「手術などで一部を切除しても、2〜3カ月でほぼ元の大きさまで再生することができるのです」(栗原氏)

 

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