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こだわり、不注意、多動…「発達障害」の人を理解するには?ライフ・マネー 投稿日:2020.09.04 16:00

こだわり、不注意、多動…「発達障害」の人を理解するには?

 

 発達障害には、2つの主要な疾患が存在しています。

 

 その1つとして、「ASD(自閉症スペクトラム障害、自閉スペクトラム症)」が挙げられます。このASDという名称は比較的最近使われるようになったもので、以前に使用されていた、「広汎性発達障害(PDD)」とほぼ一致しています。

 

 ASDには、自閉症、アスペルガー症候群(アスペルガー障害)などが含まれています。ASDに共通した特徴としては、対人関係やコミュニケーションに障害が見られることと、言動に特有のこだわり(常同性)が認められることが挙げられます。

 

 

 もう1つの主要な疾患は、「ADHD(注意欠如・多動性障害、注意欠如・多動症)」です。ADHDは、不注意、集中力の障害と多動・衝動性を主な症状とするものですが、有病率がかなり高いことが知られています。

 

 成人におけるASDの有病率は1%程度とされていますが、ADHDは3~5%、ときにはそれ以上見られるという研究も存在しています。

 

 ASDとADHDについて、その本質とは何かを考えていきたいと思います。

 

 まずASDですが、その本質を考える上で私がいちばん重要だと思ったのが、内海健先生(東京藝術大学保健管理センター長、教授)の著書『自閉症スペクトラムの精神病理―星をつぐ人たちのために』(医学書院、2015年)に記されている、以下の考え方です。

 

 世界には自分が見た世界とほかの人が見た世界があって、それらが多次元的に成り立っていると我々は認識していますが、ASDの人たちにはそう認識することが難しい。では、なぜそうなのか?

 

 他者が見た世界があることに我々が気づくきっかけは、母親の「まなざし」であると考えられます。動物の場合は、たとえばアヒルが、孵化して最初に見た動くものを親だと思ってついて歩くように、自分が見ることによって外の世界を認識しますが、人間はその逆。

 

 母親からの視線という、自分を見るまなざしに気づくことによって、他者から見た世界があることに気づく。そのようなコペルニクス的転回があって初めて、他者との関係性が芽生えるのですが、ASDの人たちはその気づきが遅れてしまったのだろう、ということです。

 

 すると、ほかの人から見た世界があることへの想像力が乏しいまま育っていきますから、当然のこととして、社会的コミュニケーション機能はあまり必要ないわけです。

 

 また、通常はほかの人がどのように世界を見ているかを逐次フィードバックしながら育っていくため、他者と共生する世の中というものへの認識ができていきます。

 

 しかしASDの人は自分の世界だけですから、極めてピュアな状態です。そのことが天才的な発想につながる場合もありますが、一般的にはこだわりというマイナスな形になってしまうことが多いと思います。

 

 ただしたいていの場合、他者が見た世界があることへの気づきが遅れても、まったく気づかないままではありません。保育園に入って、小学校に入ってと、周囲と一緒に大きくなっていく間に、「ほかの人はこうやっているのか」と気づく。

 

 気づくのですが、非常に人工的な理解にとどまってしまい、なんとなくぎこちないコンタクトになるのです。

 

 次に、ADHDの本質とは何かですが、私はADHDの本質を空間的・時間的「近眼性」だと考えています。近くしか見えない、「今ここ」以外がなかなか捉えられない状態です。

 

 空間的な近眼性、すなわち近くしか見えないとき、我々がどうするかというと、近くに行って見るわけです。したがって多動とは、目の前しか見えず、自分があちこちに動いて行くしかないために起こるのではないかと考えられる。これはまったく違っているかもしれませんが、私はそう考えています。

 

 同様に考えると、衝動性は時間的な近眼性を補うためではないでしょうか。少し時間が経つと忘れてしまい、そのときにやらなければ二度とできない。だから、今やろうということ。よく言えば行動力があるのですが、悪く言えば衝動的ということです。

 

 ADHDのもう一つの特性は、発達の遅延です。たとえば、小さい男の子が多動だったり気が散ったりするのは普通のことで、新たな環境に馴染むためにはその方が適しています。

 

 ところが、小学生になってもその状態である子は5%ぐらい、大人では2.5%ぐらいとされています。成長とともになくなっていく特性が残っているということであり、ADHDは発育遅延の一つの形と見ることができるのです。

 

 

 以上、『おとなの発達障害 診断・治療・支援の最前線』(光文社新書)をもとに再構成しました。ADHDとASDの併存、発達障害と愛着障害の関連など、臨床医らが、最新の知見に基づいてアドバイスします。

 

●『おとなの発達障害』詳細はこちら

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