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自動車保険の落とし穴…もし飲酒運転事故に巻き込まれたら?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.02 16:00 最終更新日:2020.10.02 16:00
罰則が重くなっても一向に減らない飲酒運転。いつ事故に巻き込まれるか予測不能だが、万一のとき心配なのは「逮捕された運転手が入っていた保険から保険金が支払われないのではないか」ということだ。
飲酒運転は重大犯罪だけに、飲酒運転した本人(加害者)の損害に対して保険金は支払われない。では、被害者に対してはどうなのか。そんな疑問を、日本損害保険協会に聞いた。
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「自賠責保険、任意自動車保険では、原則として被害者救済の観点から、運転者(加害者)に法令違反があった場合でも、被害者に与えた損害に対して保険金は支払われます」とのことで一安心。
ただし、自賠責保険は物の損害は補償の対象外で、任意自動車保険でも契約内容や事故の状況によっては保険金が支払われない場合があるという。
「保険金が支払われる場合であっても、被害者に過失がある場合、過失分は被害者の負担となります。自賠責保険は、被害者に7割以上の過失が認められる場合は、重過失減額(ケガの場合一律2割減、死亡または後遺障害の場合2割から5割減)が適用されます」(日本損害保険協会)。
なお、飲酒運転の車に追突されてケガをしたり、車が壊れたりした場合は、保険金(対人賠償保険金・対物賠償保険金)のみ支払い対象となる。
では、自分が加害者になった場合はどうなのか。主な個別具体例を日本損害保険協会に説明してもらった。
●保険料の支払いを忘れていた
保険料を支払わないなど、保険会社の規定で契約解除となった状態で事故を起こした場合は、被害者への賠償を含め、保険金は支払われません。
●車検切れの車で事故を起こした
車検期間は自賠責保険の期間ともほぼリンクしているため、自賠責保険も切れている可能性が高いです。その場合には、相手方(被害者)への賠償は自賠責保険からは支払われませんので、加害者が賠償する必要があります。
●友人の車を運転していた
自動車保険では、ご契約のお車を主に運転される方を「記名被保険者」として契約し、その記名被保険者を中心に配偶者やその家族が運転中に事故を起こしたときなどが保険金支払いの対象になります。
したがって、友人が運転中に事故を起こした場合には、その車の任意自動車保険では保険金が支払われません。友人が別途任意自動車保険に加入していれば「他車運転危険補償特約(自動付帯)」により保険金が支払われます。
なお、上記保険金の支払い対象となる方の範囲は、保険料を節約する観点から、夫婦のみ、家族のみあるいは一定の年齢以上の人のみ、というように範囲を限定していることもありますのでご注意ください。
●盗難された車が事故を起こした
一般的には、盗難車の運転者が事故を起こして他人に損害を与えた場合、その運転者が賠償責任を負うことになります。ただ、人の出入りが多い場所(コンビニの駐車場等)で鍵をさしっぱなしにしたなど、車両の管理に落ち度があった場合は、所有者も管理者責任を問われ、賠償責任を負う場合もあることから注意が必要です。
保険のお世話にならないことが最良なのだが……。