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【食堂のおばちゃんの人生相談】50歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.20 11:00 最終更新日:2020.11.20 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/迷える大羊(50)会社員】
 8年前、結婚寸前までいった女性と別れたのが、今も心残りだ。彼女には、「他に好きな人が出来た」と告げられたが、それだけが理由かどうかわからない。

 

 金には困っていないしモテないわけでもないのに、どうして彼女は去っていったのだろう? 彼女に聞いてみたい。私は、いまだに独身です。

 

 

【山口先生のお答え】
 お見合いではお断りする場合、女性側は「ご立派すぎて私には務まりそうもありません」、男性側は「僕にはもったいない女性です」と言うことになっています。もちろん、実際には世話人さんに「あんなケチ、最悪!」とか「写真より10kg以上太ってた。詐欺だ!」とか、思い切り本音を言うんですけどね。

 

 そして恋愛の場合も断るときの常套句ってあると思うんです。その一つが「他に好きな人が出来た」ではないでしょうか? これはとても上等な断り文句だと思いますよ。相手を傷つけませんからね。「アンタの口臭が耐えられない」なんて本音を言われるより、ずっとマシだと思いません?

 

 過去2回「ションベン組」のことを書きました。問答無用で手っ取り早く別れたい時、寝小便たれて相手に愛想を尽かしてもらって別れる方法です。便利と言えば便利だけど、ずいぶん相手を馬鹿にしてますよね。話しても分かる相手じゃないと決めつけてるわけですから。

 

 私はもし誰かと恋愛関係になって、相手が別れたいと思ったら、せめて寝小便されない人間でありたいです。ちゃんと別れ話をして欲しいです。その際、一番納得しやすい理由は「他に好きな人が出来た」でしょう。その後に「決して君が嫌いになったわけじゃない」が続きますからね。

 

 だから迷える大羊さん、彼女の告げた理由で納得しましょう。本音はどうあれ、彼女はあなたを話せば分かる男と見込んで、一番救われる理由を言ってくれたんです。その気持ちを汲んであげてね。そして、前を向いて新しい一歩を踏み出してください。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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