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ケータイ料金削減、2020年冬の最善策は「格安スマホの最安プラン」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.30 06:00 最終更新日:2020.11.30 06:00
2020年10月末、総務省は「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を発表した。携帯電話料金の値下げは、菅義偉総理の肝入り政策のひとつであり、「アクション・プラン」が求めるのは、大手キャリアから“サブブランド”や、“格安スマホ”などと呼ばれるサービスへ乗り換えやすくするための取り組みだ。
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それに呼応するように、通信量が20GBの新プランを「UQ mobile」(月額3980円)と「Y!mobile」(月額4480円)が相次いで発表。MNP(携帯番号変更なしの乗り換え)の手数料撤廃を打ち出すところもあるなど、各社動きだしている。
だが、最新の調査では、おもに利用している携帯・スマホのサービスは、3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が75%を占めている(MMD研究所調べ)。なぜ、乗り換えが進まないのか。携帯業界の御意見番・ITジャーナリストの法林岳之氏が解説する。
「これまでは総務省が本腰を入れて取り組んでこなかったことが、まずひとつ。そして、なんといっても大きいのが、乗り換え手続きの複雑さ、面倒くささでしょう。ですが、今回アクション・プランが示されたことで、乗り換えも盛んになっていくと思います」
今後加速していくであろう乗り換えだが、どう選べばいいのだろうか。
「各サービスの比較の前に、まずは格安スマホとはなんなのか、大手キャリアとは何が違うのか、知っておくこと。メリットとデメリットを理解することです。誰もが格安スマホに向いているわけではありません」(法林氏、以下同)
携帯電話事業者には大きく分けて、MNOとMVNOがある。MNOは、ドコモやau、ソフトバンクのように、自社で基地局やネットワークを整備しているところ。MVNOは、MNOから設備(電波)を借りている会社。設備投資分をコストダウンできるため、格安でサービスを提供できるのだ。
「Y!mobile」「UQ mobile」は、それぞれソフトバンクとauという大手キャリアのサブブランドで、本来はMVNOとは別だ。しかし、今回は「格安スマホ」としてMVNOと同様に扱う。また、「楽天モバイル」は、自社で設備を持つMNOだが、格安プランを売りにしており、「格安スマホ」として扱いたい。
格安スマホのメリットは何か。それは、「料金の安さ」。月々の料金は、大手3社の平均で約6800円。それがサブブランドなら約3000円、MVNOなら約4000円、月額で安くなるというデータがある。
「乗り換えるかは、料金の安さとデメリットを天秤にかけて、それが見合うかどうかで決めればいいと思います」
では、デメリットは何か。代表的なものが、サポート面での心配だ。
「ショップが少ないところが多いので、自分でSIMを入れられないレベルの人には向いていない。手続きは、基本的にオンラインでおこないますから、そのハードルもあります。サブブランドなら、メインブランドのショップで、ある程度のサポートは受けられます」
通信速度は、携帯会社によって大きく差が出る。サブブランドの「Y!mobile」「UQ mobile」、そして「OCN」「イオン(ドコモ回線)」あたりの優秀さが目立つ。
MMD研究所がおこなった調査では、この4社は格安スマホの通信速度が落ちるといわれる昼や夕方の時間帯でも、大手キャリアと遜色ない速度をキープしていた。
現在すでに格安スマホを使っている人も、速度の違いを検討して、乗り換える手はある。大手からの乗り換えより、格安→格安への乗り換えはハードルが低いのだ。
キャリアメール(例・○○○@docomo.net、△△△@softbank.ne.jp)は、使えなくなることが多い。
「総務省のアクション・プランでは、キャリアメールの継続使用の検討を求めていますが、どうなるかわかりません。格安スマホに乗り換えるならば、早めにメールをGmailやアウトルックなどに変えたほうがいいでしょう。
『LINEがあればメールは不要では』と思うかもしれませんが、メールアドレスで認証を求めるサービスも多いので、メールアドレスは必要です」
【格安スマホのメリットとデメリット】
●メリット
・料金が圧倒的に安くなる
●デメリット
・通信速度が遅くなることが多い
・実店舗が少なくサポート面が心配
・自分で初期設定をする必要がある
・キャリアメールが使えない