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ラーメン好きの間で議論を呼ぶ『ちゃん系ラーメン』急増の謎

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.25 18:00 最終更新日:2021.01.26 00:12

ラーメン好きの間で議論を呼ぶ『ちゃん系ラーメン』急増の謎

こちらは池袋にある「ひろちゃんラーメン」。赤い看板に白抜き文字が目印だ

 

 2020年後半から、ラーメン好きの間で密かに話題となっている店がある。

 

『中華そば もり中華』

 

 赤地に白い文字で、そう大きく書かれた看板の店が、神田、新宿、池袋、田町、埼玉県川口市など、首都圏のいたるところで目に付くようになっているのだ。

 

 

 急増したこの店には、いろいろと謎が多い。第一に、店名だ。「もり中華」という店名かと思いきや、よく見ると「中華そば」と「もり中華」の間に、店舗ごとに異なる文字が入っている。たとえば神田や川口の店は「江」、歌舞伎や田町の店は「エ」、西新宿や池袋の店は「広」といった具合である。

 

 さらに、のれんの上部には「〇〇ちゃんラーメン」の文字が。後にわかったのだが、この「〇〇ちゃんラーメン」が正式な店名で、ファンの間では「ちゃん系ラーメン」と呼ばれているという。普通に考えれば、みな系列店に思えるのだが、店舗をまとめたホームページなどは存在しない。

 

 また、これらの店の多くは、首都圏を中心に煮干しラーメンを提供している「ラーメン凪」の跡地に出店されている。しかし、ラーメン評論家の大崎裕史氏が「凪」との関係を質問したところ、「まったく関係ないです」と声を大にして否定されたという。いったい、どういうことなのだろうか? ラーメン関連の記事を多く手がけるラーメンエディター、佐々木正孝氏に話を聞いた。

 

「結論からいえば、どう推測しても母体は『凪』だと思うんです(笑)。でもそこは、プロレスにたとえると『初代タイガーマスクの正体が佐山サトルということはみんな知っている』というのと同じというか。つまり、そういった “議論” を呼ぶことも込みでの、戦略のような気がしますね。

 

 ここ最近、ラーメン業界では『クラシカルな中華そばを見直そう』という動きも出てきていて、そこを『凪』ではない、別のブランドでやりたかったんじゃないでしょうか。

 

(『凪』を経営する)凪スピリッツジャパンの社長の生田悟志さんはどこか天然というか、直感的な方なんです」

 

 そんななか、2020年12月19日に埼玉県さいたま市大宮区にオープンした「もり中華」と掲げられた看板には、これまでの「ちゃん系」とは一線を画す「生田庵」という店名が。前述したように、凪スピリッツジャパンの代表取締役の名前は「生田」氏だ。ますます、その関係を匂わせているように思えるが……。

 

 本誌は「凪スピリッツジャパン」に、その関係について問い合わせた。

 

——出店ラッシュを続ける「ちゃん系ラーメン」の店舗は、凪さんの系列じゃないかという噂が立っていますが?

 

「あー、うちとは基本的には繋がりはないところなんですが……」

 

——ことごとく凪さんの跡地に出店され、大宮では「生田庵」という店名になっています。これは、社長の生田さんから取っているのでは?

 

「うちでも、ちょっとわかりかねますね」

 

 やや歯切れが悪いながらも、全否定の回答だった。やはり覆面レスラーが自らの正体を明かすことがないように、あくまでもそのスタンスを貫くということなのだろうか……。

 

 ちなみにラーメン自体は、ダシを重ねないシンプルで素朴感のある醤油ラーメンで、なかなか癖になるお味。店員に勧められるまま、ニンニクと胡椒を入れると、明確な味変が楽しめた。ラーメン業界に突如、降ってわいた謎だが、難しいことは考えず、まずはラーメンを味わおう。

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