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麺テロリストまろの「GoToラーメン」東京レストランの高級ラーメン至極の5杯
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.07 13:00 最終更新日:2021.02.07 13:00
B級グルメのイメージが強いラーメンだが、世の中にはレストランでしか食べられない「高級ラーメン」なるものが存在する。今回は、レストランシェフたちが本気でつくる「至極の高級ラーメン」5杯を紹介する。
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【レストラン ラ・フィネス】(港区新橋)
新橋にある【Restaurant La FinS】は、「AUTODIDUCT(独学者)」というコンセプトを持つフランス料理店。ここで、幾度となく通った馴染み客しか食べられない幻のラーメンがある。
それは、あらゆる料理のタイトルを総なめにしている一流シェフ杉本敬三さん自らが製麺した、最高級のブルターニュ産のブルーオマールを生かした冷・温のラーメン2種だ。
さっそく茹でる前の自家製熟成麺を見せていただくと、まさかの青緑色。これはブルーオマールの青い味噌を、北海道産「春よ恋」の小麦と練り込んであるのだそう。
さすがに食欲が湧くとは言えない色味の麺にやや疑問を感じたが、熱を通し茹で上がった麺を見ると、食欲をかきたてる赤橙色に早変わり。これは、海老を茹でると赤く染まるのと同じ原理だという。
具材のウニやアワビ、ポーチドエッグなどが、きれいに盛り付けられ、液体窒素と乾燥された出汁のフリカケがかけられる。シェフの地元で切り出された深めの竹の器から、白い霧があふれ出し、まさしくかぐや姫のイメージ。
コンソメ仕立てのオマール海老の旨味と素材たちの絡みが絶妙で、梅干しの酸味によるアクセント、そして大葉を絡めたカペリーニ風の清涼感も素晴らしい。
これだけの具材をすべて120%活かせる杉本シェフの人並みはずれた恐るべきセンスの高さに驚く。
2杯目は、先ほどとは打って変わり、たっぷりの黒トリュフと濃厚なオマール海老のビスクソース仕立ての一杯。透明なフタを開けると、フタのなかに美味しく充満されたトリュフの香りがたまらない。
今回の最高級ブルーオマールの総決算ともいうべき、濃縮されたビスクソースとオマール麺は口にした瞬間、あまりの美味しさに頭を抱えるほど……。日本を代表する重鎮のシェフに、最高傑作と言わしめた意味がよくわかる。
ソウダとイリコ、九州のムラサキなど、旨味が凝縮されたコクたっぷりのかえしを加えるとさらに旨味が上昇。これはラーメン好きな方には、生きてるうちに必ず一度は食べていただきたい逸品。まさに究極の必殺技だ。
なお、こちらのスペシャルラーメンは、「ラ・フィネス」に5回以上通った馴染み客の、フルコース完食後にシェフの遊びとして原価で提供される特別な一杯だ。
■レストラン ラ フィネス
東京都港区新橋4-9-1 新橋プラザビル B1F
●営業時間:
[火~金]18:00~24:00(L.O.19:00)
[土]12:00~15:00(L.O.12:30)、18:00~24:00(L.O.19:30)
●定休日:日曜・月曜
【わさ】(渋谷区東)
日本を代表する中華料理店「開化亭」および、いまでは予約不能と言われる銀座「フルタ」両店を創業した古田等シェフのもとで鍛えられ、完全体と化したのが「わさ」の山下昌孝シェフだ。
彼が生み出す逸品のなかでも、史上最高と思われる正統派の極担々麺は、自身の吸引力が麻痺したのではないかと疑うほど、麺を啜る時間が止まってしまう。
見た目は通常のビジュアルではあるが、「美味しい」を極めた彼にとって、余計なビジュアルは不要。
味を極めるがための修羅として、味の奥行きだけでなく素材とそのバランスを極めたというべき一品。業界にも、これ以上の担々麺はない!という声も多い。
酸・甘・楽が三位一体となった初見の風味に加え、それを引き延ばす貝類と乾物系の奥行きがたまらなく、スープを味わうほどに食の楽しさが湧き上がる。
食材のよさを痛感できるのはもちろんのこと、わかる人であれば、細胞レベルで味覚の細分化に悩むほど、ハイブリッドな世界の振り幅に戸惑う。
「辣」と「痺」において基本を守り、基本を超越してきたからこそ、その複雑でありながら、まとめあげられた匠の味を堪能できる。
極上の炸醤肉が溶け出すタイミングにより、自分の好みの味にカスタマイズできるが、そのどれも完成系だと言えてしまうのは、自分が味覚の振り幅につけていけてないのではないかと、悔しく思える。
■わさ
東京都渋谷区東3-16-1 ベルザ恵比寿 1F
●営業時間:18:00〜(要予約)
●定休日:月・日曜日
【オールデイダイニング オリガミ】(港区赤坂)
赤坂のキャピタル東急にあるダイニングレストラン「オリガミ」の看板メニューであるパーコー麺。
店内は、スッキリ広々としたセレブリティな空間。それもそのはず、こちらは歴代の総理大臣をはじめ、政財界の大物が通っていることでも有名だ。
そして、こちらのパーコー麺を食べると成功するという都市伝説まで存在するという。1960年代にビートルズが来日する際、メンバー全員がその味に惚れ込み、来日の際に必ず注文するようになったのだとか……。
私自身が、テレビで活躍する貴婦人にこの店を紹介されたのが10数年前のこと。現在はメニューからなくなってしまったようだが、パーコー麺に加え、アップルパイとキウイジュースのセットを頼むのが常連客のお決まりと聞き、月に一度通うのが、なんとも幸せなルーティンであった。
サックサク衣に侵食したスープの潤々なグラデーションのような歯ごたえもたまらない。
そして、パーコーを口に頬張ったまま麺を啜ると、豚の脂の風味が鼻を抜け、なんともいえない至福感がおとずれる。ありきたりなジューシーという表現では片づけられないパーコー麺は、その歴史を味わうという点でも意味がある。
■オールデイダイニング オリガミ
東京都千代田区永田町2-10-3 ザ・キャピトルホテル東急 3F
●営業時間:10:00~22:00(LO21:30)
●定休日:無休
【新広東菜 銀座 嘉禅】(中央区銀座)
数ある高級中華料理店で提供されるフカヒレラーメン。そのほとんどは、コース料理一回分を上回るような価格に設定されているか、類似の春雨に紛れた少量のフカヒレにより、本来の形をなさない形で提供される安価な一杯に二極化される。
そんな数あるフカヒレラーメンのなかで注目したいのが「新広東菜 嘉禅」の一品だ。独自の特別なルートで仕入れていることから、惜しげもない量のフカヒレが目の当たりに。抜群のコスパで、思わず注文した内容を疑うほど。
あっという間にほどける柔らかな繊維と、とろーりのゼラチン質が、ほどよい酸味とともに口のなかに広がり、後味の引き延ばされる甘みも絶妙!
東京都内、それも銀座の一等地で、絶品のフカヒレラーメンが1000円代で提供されていることに戸惑うが、それがまさに真実なのだ。
■新広東菜 銀座 嘉禅
東京都中央区銀座6-5-13 銀座美術館ビル 2F
●営業時間:
[平日]11:30~15:00/17:30~23:00
[土日祝]11:30~16:00/17:30~22:30
●定休日:年末年始
【飄香】(港区麻布十番)
麻布十番の「中国菜飄香」。言わずと知れた麻布十番の名店である。業界でも名の知られた井桁良樹シェフは、現在でも足しげく訪中し、修行を繰り返しては本場の味を追求する賢人である。
〆の一品としてマネージャーから一押しされた麺メニュー、四川の屋台名物として生まれた呉記怪味麺は、タコや貝類など乾物系の重厚感のある深みに、螺旋のように浸出していく複雑な香辛料による辛味とのバランスが、たまらなく秀逸。
塩分の浸透圧により、徐々に染み渡っていく麺とスープのお色直しによって変幻していく味覚は、刺激を求める人にとっても、刺激を求めない人にとっても、終始、多面性な変化を楽しませてくれる。
原価の違いはあるにせよ、現在あちこちで見られる唐辛子パウダーによる表面だけの辛さのスパイス系ラーメン店は、その本物の刺激の美味しさを参考にしてもらいたい。
■飄香 麻布十番本店
東京都港区麻布十番1-3-8 Fプラザ B1F
●営業時間:11:30~15:00(LO13:3O) 18:00~23:00(LO20:30)
●定休日:月曜日、第1.3火曜日
■麺テロリストまろ
年間1800杯以上のラーメンに加え、S級からB級まで年間2500食以上の外食を続ける40代美容業経営者。タレントへのボディメイク(スタイル維持)も担当するトレーナー兼男性エステティシャンで、太らない体作りを研究するため、あえて爆食トレーニングを繰り返す。食べログ年間投稿数第1位。業界最高権威であるTRYラーメン大賞審査員も務める