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人類を救う「コオロギ食」 高タンパク質で高栄養価、しかもどこでも作れる!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.18 11:00 最終更新日:2021.02.18 11:00
コオロギ養殖には表面積の大きい卵パックが最適!
2021年は、コオロギに大注目だ。「日経トレンディ」(2020年12月号)の「2021年ヒット予測ランキング」で5位に選ばれたのが「コオロギフード」。環境に優しく高タンパク・高栄養価で注目を集めている。
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2018年からコオロギの養殖と商品化をおこなう株式会社BugMo創業者の一人で代表取締役の西本楓さんはコオロギとの出会いをこう話す。
「ウガンダで食育のインターンをして給食の改善に取り組んでいたころ、問題だったのが、畜産のお肉が高価でメニューに取り入れられないことでした。現地でタンパク質を含む食品を考えて、思いついたのが栄養価が高く簡単にどこでも作れる性質を持っている昆虫。
帰国後、昆虫への嫌悪感だけで世に広まらないならもったいないと感じ、昆虫の美味しさや環境に優しいという特性を知ってもらいたいとの思いから起業しました」
■餌によって味や香りが変わる
コオロギの魅力は雑食性でなんでも食べることと、餌によって味が変わること。昨年、アフリカなどで大量発生したバッタなど、ほかの昆虫は青い葉っぱしか食べないものも多いという。
「コオロギはなんでも食べてくれるので廃棄食品や農業で出た野菜のかけらなどを還元でき、タンパク質を作ることができます。食べさせる餌、たとえば動物性の餌と植物性の餌によってコオロギの味や香り成分が変わります」(西本さん)
コオロギブームの火付け役でもあるのが無印良品の「コオロギせんべい」だ。発売に至った経緯を株式会社良品計画の広報・サステナビリティ部の担当者に聞いた。
「世界の急激な人口増による今後の食料確保と環境問題などを考えるきっかけになればとの思いから始めました。昆虫食先進国フィンランドで情報収集をおこない、昆虫食研究で名高い徳島大学と協業し、コオロギを食材とすることに取り組みました。
2020年5月からネットストアで先行販売し、7月から店頭販売、2021年1月からは国内31店舗とネットストアで販売しています。販売数量の詳細は控えますが、基本毎月1回納品、ほぼ1週間で完売しています」
多彩な商品になるコオロギ。西本さんは今後の夢をこう話す。
「現在はベトナムで養殖をしていますが、直に餌の種類を研究したいので、春からは日本で養殖を始めます。餌によってどんな味のコオロギが育つのかを料理人さんたちと味見をしていて、それがいちばんの楽しみです。将来的にはコオロギと植物性の大豆をミックスさせて満足感のあるお肉をつくりたいです」
コオロギの夢は広がるのである。
写真提供・BugMo、良品計画、ANTCICADA、MNH
(週刊FLASH 2021年2月9日号)