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年金保険、再雇用、ご近所づきあい…そんなもの「全部いらない!」定年後の “新常識”

ライフ・マネー 投稿日:2021.03.20 11:00FLASH編集部

年金保険、再雇用、ご近所づきあい…そんなもの「全部いらない!」定年後の “新常識”

個人年金保険は、事業費率(営業マンの給与などの運用経費)が高く、非常に割高だ(ベース写真・朝日新聞)

 

 一方で、絶対に避けるべきものもあると大江氏は警告する。

 

「個人年金保険と呼ばれる、民間の金融商品です。この超低金利の時代に30〜40年間も金利が固定されてしまうので、インフレになったら、大損です。それなら、現役時代から国民年金基金やiDeCoを利用して、税制上のメリットを享受しておくのがベターです」

 

 逆に、定年後も地道に働く道はどうだろう。とりわけ、勤めた会社に再雇用で残るケースは多いが――。

 

「再雇用されると、それまでの役職から外れ、権限も小さくなります。加えて、周囲の扱いも微妙になるとくれば、モチベーションが保てず自信を失ってしまうケースも多いです。再雇用で働くぐらいなら、起業や別業種など、新たなチャレンジをすすめます」

 

 もっとも、無理に働く必要はない。前述のとおり、日常生活のコストは公的年金でまかない、退職金は、いざというときの医療や介護、高齢者施設入所の一時金などにとっておく。そして、定年後の労働は、趣味やちょっとした贅沢のぶんだけにとどめて、月に5万円も稼げば十分だ。

 

趣味がないと老後を楽しめないと思い込む必要はない(ベース写真・朝日新聞)

 

「『仕事をしないなら、のめり込める趣味を見つけなければいけないと考える方も多いでしょう。しかし、興味がないなら新たな趣味を始める必要もないんです。

 

 退職金があるからと気が大きくなって、高級腕時計のコレクションなど、お金のかかる趣味で失敗するのはありがちなパターン。とくに独身男性は、家族がいないぶん趣味にお金を注ぎ込みやすいので注意が必要です」

 

 つき合う人間を選べるのも、定年後の楽しみだという。

 

「暇ができたから、地域コミュニティに溶け込もうと考える必要もありません。そもそも、地域には地域の厳然たるヒエラルキーがあります。そこに、定年退職直後の『俺は、○○会社の部長だったんだ』なんてプライドのある人間が入ってきたら、白い目で見られます。

 

 徹頭徹尾、下手に出る覚悟があるなら別ですが、無理する必要はないんです。今はフェイスブックを利用する高齢者も多いですから、そこで、気の合う友人を見つけるのがおすすめです」

 

 結局、無用な「べき」論に引っ張られる必要はないのだ。

 

「 “定年対策” と煽ることで、メディアも企業も、あなたの退職金や年金を狙っているのです。定年後の理想の生活なんて、本当は人それぞれ。納得したことだけやりましょう」

 

“なんにもしなくていい” とわかれば、定年が楽しみになってきた! 以下の関連リンクでは、老後資金をキープするために「やるべきこと/やるべきでないこと」のチェック表を公開する。

 

 

おおえひでき
1952年、大阪府生まれ。証券マン時代は、個人の資産運用や、確定拠出年金ビジネスに従事した

 

(週刊FLASH 2021年3月1日号)

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