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世界に800種類も…蠱惑の「食虫植物」栽培講座はいつも満員御礼

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.23 11:00 最終更新日:2021.03.23 11:00

世界に800種類も…蠱惑の「食虫植物」栽培講座はいつも満員御礼

食虫植物「ハエトリソウ」

 

 緊急事態宣言下での「巣ごもり」が影響しているのか、食虫植物の栽培が注目されている。

 

「食虫植物は世界に800種類あるといわれています。魅力はなんといっても虫を捕まえるために進化した葉の形状。

 

 あるものは葉を筒状に、またあるものは葉をネバネバさせ、さらには葉を素早く閉じたり、袋状の中に虫を吸い込む種類もあります。このように進化した奇怪な葉が私たちを虜にします」

 

 

 こう熱く語るのは、日本食虫植物愛好会会長の田辺直樹さん。

 

 食虫と聞くと「虫を与えなくちゃいけないの?」と思ってしまう。

 

 しかし、田辺さんは「虫が肥料になりますが、虫を与える必要はありません。日光と水分で十分育ちます。肥料も不要です」と解説する。

 

 意外に手間がかからない。初夏から夏にかけてならホームセンターなどでも手軽に購入できるそうだ。

 

「購入の際は注意も必要です。入荷したばかりのものであれば問題ないと思いますが、日数が経過すると弱ってくるのでおすすめできません」(田辺さん、以下同)

 

 見ていると愛着が湧いてくる、不思議な植物だ。

 

 以下、手軽に購入可能な食虫植物を飼育のポイントとともに紹介していく。

 

 

■ハエトリソウ
・捕食技:パックン
・栽培難易度:★★

 

 北米原産。「二枚貝状の葉で虫を瞬時に捕らえます」と田辺さん。パックンの瞬間は衝撃的。500円〜2000円程度。

 

「手でさわると葉が閉じますが、おもしろがってこれを繰り返すと弱ってしまいますので、葉には絶対にさわらないでください。日光がよく当たる場所であれば、年間を通じて外でも管理することができます」

 

 

■ナガバノイシモチソウ
・捕食技:ネバネバ
・栽培難易度:★★★★

 

 日本原産(渡良瀬遊水地など)。湧水地など栄養分の少ない環境に自生するモウセンゴケ科の一年生食虫植物。

 

「葉が分泌するネバネバした粘液には誘引臭があり、昆虫をおびき寄せて捕食します」

 

 湿度を高くして育てる必要があるので、栽培の難易度はやや高い。1000円〜2000円程度。

 

 

■ムシトリスミレ
・捕食技:ネバネバ
・栽培難易度:★

 

 写真の品種はメキシコ原産のもの。「スミレ」に似た可憐な花が咲くが別種。粘液がこぼれないように葉のふちが反り返っている。500円〜1000円程度。

 

「腺毛が密生した葉の表面は粘液でネバネバしていて、それで虫の自由を奪います。一年中、室内で管理する必要がありますが、初心者にも育てやすいです」

 

 

■ヘリアンフォラ
・捕食技:ポットン
・栽培難易度:★★★


 南米のギアナ高地原産。写真はすべてヘリアンフォラだが、それぞれ品種は異なる。

 

「漏斗状になった複数の筒の中に虫を落として消化します」

 

 雨が多く涼しい高地で育つため、夏場は直射日光を避けて、明るく涼しい場所で栽培する。湿度を高く保つことも大切で、用土の乾きにも要注意。3000円〜5000円程度。

 

 

■ミミカキグサ
・捕食技:バキューム
・栽培難易度:★

 

 アフリカ南部原産。

 

「地中に伸ばした“枝”にある捕虫のうで微生物を吸い込み成長します。一年中外で栽培できますが、冬は凍らない程度に保護してください」

 

 同じ種類が日本を含む全世界に分布し、200種以上があるといわれている。500円程度。

 

 

■ウツボカズラ
・捕食技:ポットン
・栽培難易度:★★

 

 東南アジア原産。食虫植物の代表的存在。1000円〜1万円程度。

 

「独特の甘い香りを出します。葉の先にできた壺の中には消化液があり、香りに誘われた虫を落として捕食します。一年中、高温多湿で管理してください。冬は最低でも10度以上に保温することも大切です」

 

田辺直樹さん(食虫植物マニア歴41年)
 千葉県出身、58歳。税理士。(株)ナオ企画代表。日本食虫植物愛好会会長。自宅で1000株以上の食虫植物を栽培し、主宰する講座「食虫植物の集い」は毎回満員。

 

写真・福田ヨシツグ

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