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両親が遺した “ボロ実家” レンタルで「月収30万円」の実例も…コスプレ撮影会に需要あり

ライフ・マネー 投稿日:2021.03.24 06:00FLASH編集部

両親が遺した “ボロ実家” レンタルで「月収30万円」の実例も…コスプレ撮影会に需要あり

写真右が、青山さんが貸しているレンタルスペース。奥は母屋で、青山さんが生活している

 

 両親が遺した実家相続する。いつかやってくる未来だが、都心の一等地でもない限り、その使い道は二束三文で売るか、潰して駐車場にするぐらい……。だが、面倒だから “放置” という手は、厳禁だ。

 

「全国的に空き家が増加していることが問題視され、2015年に『空き家対策特別措置法』が施行されました。この法律は、空き家を適正に管理する義務を果たさない所有者に対し、市区町村が助言、勧告、指導や命令を出すことができるというもの。

 

 

 しかし、家の解体にもお金がかかります。親が遺した資産価値の低い “負動産” を、どうすればいいのかという相談が増えています」(不動産関係者)

 

 似た悩みを抱えた末に、“時間貸しレンタル” という方法を選んだ女性がいる。

 

「借金をしてまでアパートを建てようとは思えませんでしたし、民泊は、『民泊新法』による厳しい規制があるようだったのであきらめました」

 

 そう語るのは、東京・西東京市の田無駅から徒歩13分、築50年の平屋「あおさや」を時間貸ししている、オーナーの青山りえこさん(53)だ。

 

「ここは、祖父母が暮らしていた実家の離れなんです。私は、すぐ隣の母屋に家族と住んでいます。父の介護をしながら仕事ができればと考えていたこともあり、2019年から挑戦しました」

 

 青山さんは、オーナーと借り手をつなぐ「スペースマーケット」というサービスを利用している。利用者はスペースマーケットのサイトから、借りたいスペースを予約し、決済をおこなう。

 

「オーナーの方からは利用があった場合のみ、弊社が手数料として30%をいただいています。たとえば、利用者が1万円を払うと、弊社が3000円を受け取り、オーナーの方は7000円の収入となります」(スペースマーケット広報担当者)

 

「あおさや」には、畳の二間に、小さな台所がついている。ひときわ目につくのが、現在ではほとんど見ることができなくなった長火鉢。置物にも歴史を感じさせるものが多く、まさに “昭和” である。

 

「私にとっては当たり前の空間も、若い人たちにとっては違う。この前も利用者の女のコが『私、畳にこたつがある風景に憧れていたんです!』と言っていました。そういう時代になったんですね(笑)」(青山さん・以下同)

 

 利用料金は平日1時間3000円からで、最低利用時間は4時間。ほかにも、長火鉢を利用したせんべい焼き体験や、かき氷作り、着物のレンタルと着付けなど、青山さんが独自に提供しているオプションも豊富だ。

 

「利用目的で、もっとも多いのが撮影会。なかでもコスプレですね。最初のお客様がそうで『あっ、こういう利用者さんがいるのか』と驚いたのを覚えています。利用者は女性が9割で、いわゆる女子会も多いですよ。有名ユーチューバーの方が、撮影で利用されたこともあります」

 

 気になるのは売り上げだが……。

 

「コロナ禍以前は、週に3~4日ほどの予約があり、月の売り上げは30万円くらい。家賃は当然かからないし、出費といえば、固定資産税と修繕費のための積み立てくらい。DIYが好きなので、ちょっとしたことなら自分で直します。なので、売り上げのほとんどは手元に残ります」

 

 だがコロナ禍になり、予約がゼロの月も出たという。

 

「今は、最大利用者数を6名に制限しています。一人でボーッと過ごすために利用する経営者の方など、新たな利用方法も生まれています」

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