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宗教学者・島田裕巳、93歳の母を直葬してわかった「やっぱり葬式は要らない!」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.02 11:00 最終更新日:2021.06.02 11:00

宗教学者・島田裕巳、93歳の母を直葬してわかった「やっぱり葬式は要らない!」

島田裕巳氏


■「葬式は身内だけ」がコロナ後も定着する

 

 島田氏が『葬式は、要らない』で引用したデータでは、葬式の費用は平均231万円(2007年、日本消費者協会調べ)。コロナ禍前の複数の調査では、その費用は180万〜200万円弱に減少している。

 

「今では、家族葬・直葬が中心になり、さらに費用は激減していると思います。

 

 緊急事態宣言下の多くの自治体で、斎場では食事は可能ですが、酒類は提供されないんですよね。火葬場に参列できる人数も限られていて、母のときは10人までと言われました。

 

 10人だと、やはり少ないですね。母には弟がいたのですが、参列は弟夫婦だけにしてもらって、その子供や孫には遠慮してもらいました。

 

 コロナ禍の不自由さを痛感したのですが、これはこれでいいのではないか、とも思いました。平時だと、誰を呼んで誰を呼ばないかに気を遣いますし、参列するほうも、どうしても負担になりますから。

 

 それに今は、友人が亡くなったときも知らせが来ず、『身内ですませました』というケースが本当に多いんです。私たちのように60代で現役だと、人を呼べばいくらでも来る状況にもかかわらずです。

 

 この葬式の簡素化の流れは以前からあり、コロナ禍で加速し、平常に戻っても『葬式は身内だけですますもの』となっていくと思います」

 

「私も、いつ死ぬかわからないですから」。そう語る島田氏に、自身が望む葬式の形式について聞いた。

 

「私は、家族にまかせようと思っています。葬式は、死ぬ人が決めるものじゃないような気がして。

 

 自然葬で遺骨を撒いてほしいとか、墓に入りたいという願望もありません。家族が楽しくやってくれればいいと思っています。

 

 これまで、多くの人が世間体を気にし、身の丈に合わない高額な葬式をおこなってきました。今回、母を看取り、あらためて思ったんです。そんな葬式は、『やっぱり、要らない』と」

 

島田裕巳

作家、宗教学者、東京女子大学非常勤講師。著書に『0(ゼロ)葬』(集英社)、『いつまでも親がいる』(光文社新書)など多数

 

写真提供・島田裕巳氏

 

(週刊FLASH 2021年6月1日号)

 

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