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星つきレストランも防げない「ノロウイルス」スマホでも感染
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2016.12.25 12:00 最終更新日:2016.12.26 10:56
世界に名だたるイタリアのジュエリーブランド「ブルガリ」が運営するレストラン「イル・リストランテルカ・ファンティン」でノロウイルスによる集団食中毒が発生した。
「イル・リストランテルカ・ファンティン」は「ミシュランガイド東京」でも1つ星を獲得していて、ディナーのコースは1万8000円から、ランチでも5500円という超がつくほどの高級店だ。
食中毒が発生したのは12月11日。その日は立食パーティーが行われていて、参加していた138人中49人が下痢や嘔吐などの症状を訴えた。その後、複数の患者とレストランの調理従事者からノロウイルスが検出されている。
食中毒を受けて店は12月16日から自主的に1週間営業を自粛し、東京都からも12月20日から12月23日までの3日間の営業停止処分を受けた。この店は2010年3月にもノロウイルスによる集団食中毒を起こしている。
高級レストランでも防ぎきれないノロウイルスとは、一体どのようなものなのか?
感染すると、激しい嘔吐や下痢、発熱などの症状が出る。毎年、冬になると流行し、年末年始付近にピークを迎えるが、今年は例年よりも深刻な事態となっている。
その理由は、今年のノロウイルスは従来型とは異なる遺伝子配列を持っているからだ。遺伝子が変異したのはヒトへの感染力に関わる部分で、昨年よりも感染力が高まっている可能性が高い。
さらに、変異したウイルスへの免疫を持つ人がほとんどいないため、大流行してしまう危険性をはらんでいるという。
12月21日には宮城県で水揚げされたカキからノロウイルスが検出。県全域ですべてのカキの出荷を見合わせる事態となっている。また、日本全国で年末の恒例行事、餅つきが中止に追い込まれている。
ノロウイルスに対する有効な予防方法は、手洗いを徹底することのみ。一度感染してしまうと、家族中に広がる危険性もある。感染者が触れたドアノブやスマートフォンを介して、家族にも広がってしまうのだ。
高級レストランでも防ぎきれないのが今年のノロウイルスの特徴。冬の外食には、くれぐれもご注意を。