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羽生善治九段、将棋界のレジェンドが “人生初” 壁ドン&キュンポーズで語る「詰め将棋愛」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.17 11:00 最終更新日:2021.07.17 11:00
■藤井聡太二冠の詰め将棋は芸術性が高いなと感動します
基本ルールは、つねに「王手」で相手に詰め寄ること。詰め将棋を写真で表現するなら壁ドン! あふれる将棋愛は、胸キュンだ。
藤井聡太王位・棋聖の活躍もあり、世は空前の将棋ブーム。1996年には前人未到の七冠を達成し、2018年、国民栄誉賞を受賞した将棋界のレジェンド・羽生善治九段(50)が、本誌からの無茶ぶりに応えてくれたのは、「将棋普及のため」にほかならない。
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羽生善治九段は、先日、芸能事務所に所属し、さらなる普及活動のための環境を整えた。あと1期で「タイトル100期」という偉業を目前にして、本誌読者のために、新しい詰め将棋の問題を作成してくれた。
「詰め将棋のポイントは、まず、簡単な問題を100題、200題と解いてみることです。数をこなしていくうちに、『金で詰む』『飛車を横に打って詰む』といったパターンが見えてきて、終わりの形をイメージできるようになります。重要なのは、簡単な問題を数多く解くことです」(羽生善治九段、以下同)
とはいえ、相手の駒の動きを頭の中に記憶しながら手を考えるのは、けっして簡単ではない。煮詰まったときはどうしたらいいのだろうか?
「解けない問題は、すぐに答えを見たほうがいいです。いちばんの原因は、『発想がないから』なんです。まずは、見て覚える。5分、10分考えて、解けなければ、躊躇せずに答えを見ましょう。気を楽にして、どんどん見てください」
答えのパターンを知ることで、詰め将棋の世界を楽しめるようになるという。
「私にも解けない問題はふつうにあります。1時間考えて解けないときは、難しいなと思います。40手、50手になると、手順を読むだけでなく、変化の分岐を考えなければいけないので、結果、何百手も読まなきゃいけない。そうすると、30分、1時間とたってしまって、解けないなと。1000手以上の問題もありますからね」
詰め将棋の問題を作るのは、解くより難しいという。
「詰め将棋は、詰むための手順以外に答えがあってはいけないので、ほかの王手では詰まないという作業を確認するのが大変なんです。ここがいちばん大きな違いです」
先日、九段に昇段した藤井聡太王位・棋聖が作る詰め将棋には、どんな印象を?
「藤井さんの問題は芸術性が高いです。手順がきれいで、無駄な駒が少なく、変化が多い。この3つが揃っていると、芸術性が高いといわれます。藤井さんのはすごいです。いい作品に出会うと感動します。私は長い手順の問題を作ったことがありません」
詰め将棋に挑む本誌読者へメッセージを。
「私は、運動を始める前のストレッチ感覚で詰め将棋をします。皆さんも、気楽に、頭の体操をするつもりでやってみてください。一人でも多くの方に、詰め将棋の楽しさを知ってもらいたいです」
画像ページには、著書から厳選した9問を掲載した。ぜひ解いてみてほしい。
写真・野澤亘伸
【正解手順】
2二飛、同玉、3四桂、1二玉、2二金
【問題1】解答
1一金
【問題2】解答
1二飛
【問題3】解答
4三桂
【問題4】解答
2三竜
【問題5】解答
2二金
【問題6】解答
3三桂、同金、2二金
【問題7】解答
3二銀、1二玉、2三金
【問題8】解答
3一香成、同金、3三桂
【問題9】解答
2四金、同歩、1四歩
(週刊FLASH 2021年7月27日・8月3日号)