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食堂のおばちゃんの人生相談「マナー悪い人注意できない自分…」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.02 11:00 最終更新日:2021.08.02 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/モーガンさん(35)会社員】

 私は行列に割り込んだり、煙草をポイ捨てする人を見ると無性に腹が立ちます。そして、そういうマナーの悪い人に注意できない自分にもっと腹が立ちます。

 

 

【山口先生のお答え】

 多分、私が子供の頃だったら「マナー違反をする人にはきちんと注意しましょう」という答えが、世間の常識だったと思います。それは「注意された人は素直にマナー違反を反省する」という大前提に支えられた社会だからこそ通用する常識でした。

 

 ところが世の中は変わってしまって、注意された人間が逆ギレして注意した人に暴力を振るったり、刃物で刺したりという事件が起こるようになりました。こうなってくると「命あっての物種」で、見て見ぬ振りの安全策をとらざるをえなくなります。係員や警備員や警察官が近くにいれば、その人に訴えて対処してもらうことが出来ますが、誰もいないときはどうしたらいいか?

 

 私の場合は「被害者がいるか、いないか」が決め手になります。例えば煙草のポイ捨てや行列の割り込みなどは、被害者がいないので放っておく。痴漢行為や酔っぱらいが人に絡んでいる場合は、被害者がいるので声を上げる。静かに注意するより、思いっきり大声を出して周囲に人だかりを作っちゃうのが良いと思います。囲まれると、犯罪者は逃げますから。

 

 ただ、やはり日本人はお行儀が良いと思いますね。コンビニでも駅のトイレでも、みんなちゃんと行列しますもの。建物の中で大声で携帯にしゃべっている人もいないし、道路を走る車はクラクションならさないし。まだまだ暮らしやすいです、日本は。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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