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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」テレワークで重要な雑談力を高める5つのコツ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.09.20 06:00 最終更新日:2021.09.20 06:00
■雑談のコツ1/話す時間よりも回数が重要
「雑談が苦手」な人は、「話を続けるのが苦手」「長い時間話すのが苦手」といわれます。しかし雑談では、時間をかけて長く話す必要はありません。「時間」よりも「回数」のほうが、はるかに重要です。
心理学に「ザイオンス効果」と呼ばれる法則があります。別名「単純接触効果」とも呼ばれ、「接触回数が増えれば増えるほど、相手との親密度は高まる」というものです。
つまり、「週1回20分」雑談するよりも「1日3分」毎日雑談したほうが親密になりやすい、ということ。対面の場合は、朝や昼休みなどの1~3分のスキマ時間にコーヒーを飲みながら、リモートの場合はそんなスキマ時間をあらかじめ決めておいて、「ちょっとした雑談」をするのがコツです。
■雑談のコツ2/自ら話す必要はない
雑談が苦手という人の場合、自分が会話をリードして盛り上げなければ、という思い込みがあるようです。しかし、必ずしも「自分がたくさんしゃべる」必要はありません。そうすると逆に、相手に「自分が話したいだけかも……」と不信感を抱かれるおそれもあります。
相手に「話を振る」だけでいいのです。相手が政治談義の好きな人であれば、「今度の首相は誰がふさわしいですかね」などと話題を振れば、いろいろと持論を話し始めるはずです。「話し上手」よりも「聞き上手」を心がけましょう。
■雑談のコツ3/事前にネットニュースを3つチェック
とはいえ、「話を振ろうにも話題がない」という人は、雑談の前にネットのニュースをチェックしておきましょう。「政治・経済」「スポーツ」「芸能」の各ジャンルのなかから、気になるニュースをひとつずつメモします。この3ジャンルなら、相手の人が興味を抱くようなニュースがひとつはあるでしょう。これでネタに困ることはありません。5分もあれば雑談の仕込みは完了です。
■雑談のコツ4/アイスブレイクを活用
たとえば、オンライン会議などで「最近ワクワクした出来事を1人につき30秒ずつ話す」ことから始めるのは、ものすごく効果的です。「仕事と関係のない話をする時間」をオンライン会議に盛り込む手法です。
これは、私のセミナーでもアイスブレイク(初対面同士の人が緊張を解きほぐすための手法)として導入しています。
隣の席の人と2人1組で、最近の「ワクワク」を話してもらうのですが、話の内容が楽しいことなので、お互いに気分がよくなり、テンションが上がります。相手と「楽しい」を共有することで、親密さが生まれる。その結果、堅苦しかった会場の空気が、たった1分で和やかな雰囲気に変わります。
■雑談のコツ5/1対1面談の時間を作る
テレワークが徹底している会社では「ここ半年、一度も出社していない」という人も多いでしょう。その場合は、オンラインで定期的に「1対1面談」の時間を作るべきです。最低でも1カ月に1回、できれば1~2週間に1回程度。仕事の進捗報告に限らず、雑談もします。最近、広がってきた「1on1ミーティング」です。
特に報告することや話すことがなくても、問題ありません。生産性がなさそうに思える雑談も、定期的におこなうことで先述のザイオンス効果が表われ、メンバーとの関係性は確実に深まっていくはずです。
「1on1ミーティング」までいかなくても、リーダーはふだんからメンバーに「困っていることがあったらいつでも相談して。個別に時間を取るから」と声がけしておくと、メンバーは話しやすいでしょう。
かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動
イラスト・浜本ひろし
(週刊FLASH 2021年9月28日・10月5日号)