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パチンコ革命を起こした「全玉式」「オール物」「正村ゲージ」写真で検証

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.04 11:00 最終更新日:2021.12.04 11:00

パチンコ革命を起こした「全玉式」「オール物」「正村ゲージ」写真で検証

男たちを熱狂させた「正村商会製正村ゲージ」

 

 1951年に登場し、人々を魅了した「正村ゲージ」は、正村竹一氏の発明だと思われてきた。しかし、版画家でパチンコ研究家の杉山一夫氏により、その通説は間違いだったことが判明。数々のマル秘所蔵台とともに杉山氏が解説する。

 

「正村ゲージ」と呼ばれる釘配列は、開発当初から大人気だった。

 

「魅力は、センターケースの両脇に4つ、その上に2つの風車がある構造です。これにより、狙いを定めて打てる入賞口は上部の4本釘(天四本)の下だけとなりました。

 

 

 それまでは風車の配置などに工夫がなく、たくさんのポイントに狙いを定めることができましたが、一点に集中させたことで打ち手は “忘我の境地” に惹き込まれました。この感覚が、当時は画期的だったのです」

 

 しかし、正村氏の功績は釘配列の開発にはないという。

 

「『正村ゲージ』という名前で呼ばれていますが、この配列は正村氏の考案ではありません。彼の功績は、丈夫な台を大量生産した点にあります。

 

 当時の台は木製だったため、湿気で変化したり、客が力ずくで台を傾けたりすることで、当たり率が簡単に上がってしまいました。

 

 しかし、正村商会製の台は頑丈に作られていたので、これを防ぐことができたのです。パチンコ店からも信頼され、多くの製品が流通していました」

 

■所蔵100台を超える「パチンコ誕生博物館」

 

 杉山一夫氏が館長を務める「パチンコ誕生博物館」(昨年6月開館)では、大正末から約50年間存在した手打ち式パチンコ、100台超を所蔵し一部を公開している。

 

「パチンコ史におけるエポックメーキングは3つ。パチンコ台から玉が出た『全玉式』誕生(1937年)、センターケースから玉が大量に自動で出る『オール物』誕生(1950年)、『六風車六穴』のゲージ配列(通称『正村ゲージ』)誕生(1951年)です。

 

 しかし、正村ゲージはパチンコの神様、正村竹一氏が考案したものではありません。今年出版した『パチンコ』(法政大学出版局)で私は、正村ゲージがどのように誕生したかを詳細に解説しました。ぜひこの本をお読みいただいてから、博物館にご来館いただければ幸いです」

 

【パチンコ誕生博物館】
〒239-0803 神奈川県横須賀市桜が丘1-8-13
開館日/日曜のみ開館(要予約)
http://www.pachinko-tanjo.com

 

( 週刊FLASH 2021年12月14日号 )

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