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コピーライター直伝!自分を印象づけるための「ジブンキャッチ」のつくり方

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.31 11:00 最終更新日:2022.01.31 11:00

コピーライター直伝!自分を印象づけるための「ジブンキャッチ」のつくり方

 

「自分は無趣味で、何の特技もない平凡な人間だ」

 

 よくそういう人がいます。だから、自分を印象づけることなどできない、と断言しますが、それは間違いです。この世に完璧に平凡な人などいない。そう、完璧な絶望が存在しないように。そして完璧に平凡なら、そのことをもってして、平凡ではないのです。

 

 その人は自分の掘り下げを行っていないだけです。そして、自分を掘り下げて集約すれば、自分を印象づける言葉を編み出すことができます。

 

 

 そのためには、自分をひとことで示すことができるキャッチフレーズを持つのがとても効果的。ここでは便宜的に「ジブンキャッチ」と呼びます。

 

 例えば大人数の会議やイベントでたくさんの人に会ったあと、覚えているのはインパクトの強いジブンキャッチを持つ人です。

 

 といっても、プロのコピーライターが考えるような、あっと驚くような技巧的なものをつける必要はありません。自分自身がストレートに伝わればいいのであって、ひねったり、変わったものを考える必要はありません。

 

 かつて私が新人だった時に、初対面の50代のクライアントに「平成の謝り侍の○○です」と挨拶されたことがあります。え? 何を言っているの……? 面食らいましたが、要は「とにかく腰の低いクライアント」だったのです。口癖は「すいません」「いつもご迷惑をおかけしてばかりで」「代理店のみなさまのおかげで生きております」。

 

 私たち広告会社の人間にも、自分の部下にもやたらと平身低頭。打ち合わせが終わると、新人の私にもフォローの「すいません」メールや電話が来る。すごい、なんだこの人は……。そんな○○さんはのちに役員になられたそう。謝り続けて役員へ。

 

 でも考えてみてください。名だたる大企業が謝るだけの人物を経営陣に加えるでしょうか。今ならわかります。○○さんの謝りは、「気遣いの究極型」だったのだと思います。誰にも嫌な思いをさせないで物事を前に進めていくための。

 

 そして、「侍」の部分を僕ら広告会社の人間に見せなかっただけで、相当自分に厳しい人だったのではないでしょうか。私がいつも個人のキャッチフレーズとして思い出すのが、この「平成の謝り侍」なのです。

 

■ジブンキャッチのつくり方

 

 では、ジブンキャッチをつくってみましょう。やり方はいたってシンプルです。自分を掘り下げ、浮かび上がってきたワードを組み合わせていきます。

 

 例えば、「釣りが趣味」であることと「美容師」という事実を抽出し、そのワードを組み合わせると、「釣りが趣味の美容師」というフレーズになります。

 

 でもまだ、これでは弱い。

 

 そこで「美容師」と「釣り」というワードを深掘りします。そうすると、今までの体験から「300キロのカジキを釣り上げたことがある」「ハサミを10種類使いこなせる」ということが浮かび上がってきます。

 

 どちらがインパクトがあるか? 釣りだと思えば「300キロのカジキを爆釣りする美容師」だし、ハサミに重点を置くなら「10種のハサミを使いこなす釣り好き美容師」。

 

「釣り好き美容師」だけでは、スルーされてしまうかもしれないこれらの事実も、「300キロ? すごいですね」「10種のハサミ?  どういうことですか?」とつい突っ込みたくなるものに変わるのです。

 

 つくり方のポイントを整理すると、

 

●言葉の組み合わせに違和感があり突っ込みたくなること
●具体的な数字が入っていること

 

 この2点です。ギャップのある組み合わせは人の記憶に残りやすく、数字は抽象を一気に具体に引き上げることができます。

 

 同時にもう一つ留意して欲しいのは、

 

●そのフレーズは本当に自分が好きで、伝えたいものであること

 

 ということです。印象に残したいあまりに嘘があったり、奇をてらったりしても後々辛くなるだけ。誠実なコミュニケーションを心がけましょう。

 

 この方法をうまく使えば、自分の属性が会社員や公務員のような一般的なものだとしても、印象に残るキャッチフレーズをつくるのは難しくありません。

 

「年間100試合を観にいく虎党経理OL」
「10のキャラを演じ分けるコスプレイヤー公務員」

 

 など、普通のワードに自分を深く掘り下げた具体的なワードがくっつくことで、印象深く記憶に残りやすいものになるのです。

 

 

 以上、勝浦雅彦氏の新刊『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』(光文社)をもとに再構成しました。言葉を伝えることで達成される「他者とのつながり」。その方法論を、具体的かつ軽妙な筆致で解説します。

 

●『つながるための言葉』詳細はこちら

 

( SmartFLASH )

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