3月末にかけて多くの企業が「配当基準日」を迎える。この日のおよそ2日前までに株を保有していれば配当・株主優待品が受け取れることから、株の売買も活発になる。
だが、近年「株主への公平な利益還元から、株主優待品の廃止や見直しをする企業が増えています」(経済紙記者)という。新型コロナ禍で業績が悪化する企業が目立ち始めた昨年からその動きは顕著になっている。
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優待品を楽しみにしていた個人株主には残念な傾向だが、経済評論家の森本卓郎氏は「全体としては、それほど多くの企業が株主優待を廃止することにはならないと思います」と心強い解説をしてくれた。
「これまで株主優待制度を拡充する企業が多かったのは、少数の株式を持つ個人がたくさんいれば、『モノを言わない安定株主』となって、『モノ言う株主』つまりハゲタカから企業経営を守れたからです。
しかし、この方針に変化が現れたのは、グローバル企業については『モノ言う株主』の要求を拒否できなくなったからです。
たとえば、典型はJTです。JTはこれまで株主に自社製品を贈ってきましたが、海外株主からの批判は大きなものでした。海外株主は株主優待品をもらえないからです。
海外株主は『株主優待を出すのであれば増配しろ』と言ってきました。そこでJTは6%を超える配当を出すことにして、株主優待をやめたんです。
たばこの国内市場はどんどん縮小して、いまやJTは本社もスイスに移し、海外を主戦場にしています。
そうしたグローバル企業では、国内の投資家より、世界の投資家を相手にせざるを得ないということだと思います。ですから、今後株主優待をやめる可能性が高いのは、日本より海外に活躍の場を求める企業グループだけということになります」
今回、「高配当の株主優待」や「予想配当利回り」に注目して株取引をしている人気ブロガー2人に、「これはお得」という3月末日権利確定の銘柄を教えてもらった。なお、権利確定日の2営業日前までに保有していることが必要なので要注意。
( SmartFLASH )