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多摩の地震で宇都宮が震度3…トレンド入りした「立川断層」の謎

ライフ・マネー 投稿日:2022.05.05 14:08FLASH編集部

多摩の地震で宇都宮が震度3…トレンド入りした「立川断層」の謎

5月3日の地震の震度を報じる気象庁のウェブサイト。震度の大きい地域が震源の北に偏っているのがわかる

 

 5月3日午後7時40分ごろ、関東地方で最大震度3を観測する地震があった。震源地は東京都多摩東部の小金井市付近。震源の深さは130kmで、マグニチュードは4.6だった。

 

 この地震による最大震度は3。東京都内の練馬区や西東京市、神奈川県の横浜市など、群馬県では桐生市など、そして栃木県の宇都宮市などでそれぞれ震度3が観測されている。

 

 

 しかし震央である小金井市の震度は1。隣接する三鷹市、国分寺市などでも震度は1だった。なぜ震央から100kmも離れた宇都宮のほうが、震度が大きくなったのか。

 

「それは『異常震域』という現象です。太平洋プレート内の深い場所で発生した地震だったため、揺れ(エネルギー)がプレートを伝わり、北関東側に効率的に伝わったと考えられます」

 

 そう説明するのは、東京工業大学教授で地震学を専門とする中島淳一氏。

 

「異常震域は、深い位置にある太平洋プレートで起きる地震ではよく見られる現象で、特殊なものではありません。太平洋プレート内の地震は東北地方や北海道でよく起こるタイプのもので、ほかの地震を誘発したり連動したりということはありません。今回の地震も、特に心配はいりません」

 

 震源が多摩地区だったことで、ツイッターでトレンド入りしたのが「立川断層」というキーワードだった。

 

《震源地は小金井か。立川断層近くじゃね?》

 

《もしや立川断層?デカいのがこない事を願います》

 

《多摩東部?立川断層と関係あるのか?》

 

「立川断層は、首都圏で危惧されているM7クラスの地震の発生の可能性がある断層のひとつです。ここで地震が起きると、断層近くで震度6強以上、東京・神奈川・埼玉の広い範囲で震度5弱以上の揺れとなります。ただし、立川断層で起こる地震は深さが5~10kmと浅いものです。今回の地震は深さが130kmなので関係はありません」(中島教授)

 

 とはいえ、そう安心してはいられない。内閣府では、30年以内にM7クラスの首都直下地震が発生する確率を70%としている。備えを怠るべからず。

 

( SmartFLASH )

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