ライフ・マネーライフ・マネー

樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』 キャンプはメンタルにいい!5つの脳科学的効果

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.27 06:00 最終更新日:2022.06.27 06:00

樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』 キャンプはメンタルにいい!5つの脳科学的効果

家族でキャンプすれば効果もUP

 

■(4)コミュニケーションが深まる

 

 キャンプや旅行に行くとき、目的地に着くまでに何時間もかかります。家族で行く場合、その間は家族とのコミュニケーションの時間でもあります。もちろん目的地に着いた後もずっと一緒にいるわけですから、家族とのコミュニケーションが深まることは間違いありません。キャンプの場合は、テントの設営や食事の準備、そして後片づけにテントの撤収など、いろいろとやることがあります。それらを親子、きょうだいが力を合わせて、あるいは役割分担しながらやれば、協調性や連帯感を育むトレーニングになります。

 

 先に挙げた日本旅行業協会の調査でも、家族旅行に行く人は、「思いやりがある」「協調性がある」「社交的である」傾向が強い結果が出ています。

 

 危険だからと、テントの設営作業やバーベキューの火元から子供を遠ざける親御さんがいるかもしれませんが、それはもったいないことです。木の枝を集めさせる、火の番をさせるなど、年齢相応の責任ある役割を与えることで、子供の参加意識(責任感)は高まります。それが、行動の積極性や責任感の醸成につながっていくのです。

 

■(5)幸せになる

 

 キャンプに行って自然の中でのんびりすると、気持ちがリラックスし、ストレス発散できる。「癒やされた」という感覚が得られる。それは「健康の幸福」(セロトニン的幸福)です。

 

 また、家族とのコミュニケーションが深まり、親子、夫婦、きょうだいの親密度がアップする。これは、「愛・つながりの幸福」(オキシトシン的幸福)です。

 

 素晴らしい風景に感動した、テント設営ができた、自分で料理ができた、バーベキューが美味しい……これらは、「成功、達成の幸福」(ドーパミン的幸福)です。

 

 つまり、キャンプに行くだけで、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福という幸せになるために必要な「3つの幸福」のすべてが、バランスよく得られるのです。これは、「究極の幸せ」といっても過言ではありません。

 

 ここまで読んできて、「今週末は家族でキャンプだ!」と思った人もいるでしょう。同時に「忙しいから行きたくても行けない」という人も多いはずです。そういう方は、先にふれたように、ハイキングやチェアリング、あるいは、公園のベンチに座って青空や木々の緑を眺めているだけでも、メンタルにとてもとてもいい効果が得られます。

 

 もちろん家族が一緒だと効果はさらに高まります。これほど簡単なストレス発散方法はほかにありません。ぜひ、覚えておいてください。

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

 

( 週刊FLASH 2022年7月5日号 )

12

今、あなたにおすすめの記事

ライフ・マネー一覧をもっと見る