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インド人に寿司を売る…ミス・ワールド2022日本代表も驚いた「負けないビジネス」の秘訣
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.09 06:00 最終更新日:2022.10.09 09:36
■寿司の美味しさに気づいたインド人
廣瀬:ミス・ワールドというと、個人的にはインドの人の印象が強いですね。
――ミス・ワールドは1951年に始まって、70年余の歴史があるんだけど、インド代表はグランプリ回数6回で、ベネズエラと並んで世界最多です。ちなみに、1994年のアイシュワリヤー・ラーイは後にインドの有名女優になったし、2000年のプリヤンカー・チョープラーもアメリカに渡って女優になりました。
僕が以前マネジメントをしていた吉川プリアンカ(2016年日本代表)も、父親がインド人、母親が日本人。彼女もいま、実業家として活動するとともに、ネットフリックスのリアリティ番組『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』に出演している。僕はインドに15年くらい住んでいるけど、インドは本当にきれいな女性が多い。人口が多いからというのも当然あるけど、ミスコン文化も盛んです。そういう環境で磨き上げられるのかもしれない。
山口:インドは来年中国を抜いて、世界一の人口になるんですよね。
――そう。中国は一人っ子政策の影響で今後人口が減少局面になるからね。現時点で14億1000万人という数字のインパクトは大きい。インド人の平均年齢は28.7歳で、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)がその他の人口の2倍以上もいる「人口ボーナス」期なんです。ちなみに日本の平均年齢は47.4歳ですからね、国の若さが違います。
人口と経済成長は相関関係にあるから、インドでビジネスをすると成功確率が上がるんですよ。ということで、手前味噌な話になるけど、僕はインドで寿司の宅配ビジネスを手がけていて、どんどん売上を伸ばしています。
廣瀬:インドにお寿司を食べる人がいるんですか?
――日本人はインドに対して、「カレー」とか「階級社会で貧しい人が多い」とか「衛生的でない」といったステレオタイプのイメージを持っているかもしれないけど、2014年にモディ首相が政権をとってから、飛躍的に経済成長を遂げ、中間層がどんどん増えていったんです。懐に余裕のできた国民が、既存の料理だけでなく、お寿司にも目を向けてくれるようになったんですね。
廣瀬:最初、インドのイメージとお寿司のイメージが結びつかなかったけれど、そういう背景があるんですね。
――お寿司と切っても切り離せない関係にあるのが「お醤油」。僕は日本の醤油メーカーがインドに設立した法人の代表もやっているんだけど、現在の僕のミッションは「醤油をインドに広める」こと。一流ホテルのレストランのシェフや料理学校の生徒たちに、醤油の魅力を伝える活動をしています。
■あきらめずに楽しめ!
廣瀬:私は就職が決まって、来年から企業でマーケティングのお仕事をすることになっているんですが、インドはとても魅力的な市場に映りますね。
――人口のボリュームと増加率を考えると、たしかにビジネスチャンスにあふれていると思います。でも、日本人と時間の感覚や仕事に対する意識が違うところがあるので、苦労することも多い。僕も最初は失敗ばかりでした。日本の食材をインドに輸出する仕事をやっていたときは、輸送したマグロが飛行機の外にほっぽり出されて腐ってしまったり、3週間待って仕入れた食材が腐っていて、再注文したらそれも腐っていたり……。
ただ、ここであきらめて撤退したらカッコ悪いと思い、もう少し踏ん張ることにした。すると、少しずつだけど、ビジネスがうまく回るようになっていったんですね。
山口:私もあきらめず、もう一度挑戦したから、いまの自分があるんだと思います。「ミス・ワールドになる!」と決めてからは、毎日が自分との戦い。昨日よりも今日、今日よりも明日というように、自分が変わっていかないと、すごい才能の方がたくさんいるなかで、勝ち残ることはできません。
廣瀬:私は時間が経つにつれ、世界大会で各国のミスの人たちと、より大きな活動に取り組みたいという気持ちが沸々と湧いてきました。そして、いつか必ず日本代表になりたいと思っています。
――そう、あきらめないこと、継続することが大事。僕は「成功とは継続できること」と考えています。ビジネスも人生も、あきらめた時点、終了した時点で「負け」。結局、あきらめずに続けた人が勝っているし、成功しているんです。
もちろん状況によっては、あきらめたほうがいいこともあるけど、それでもそこですべてを終わらせるのではなく、次の展開を考える。それも悲痛な気持ちで考えるのではなく、常にワクワクした気分を忘れないようにする。インドの地で鍛えられる中で、「Don’t give up and enjoy!」の精神を学びましたね。お2人もぜひ、インドを体験してみてください!
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