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精神科医・樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」 エリザベス女王が健康で長寿だった7つの理由
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.10 06:00 最終更新日:2022.10.10 06:00
理由(5) 朝の日光浴
女王はベッドティーの際、カーテンを開けて太陽の光を浴びながら、味わっていたそうです。私は「睡眠、運動、朝散歩」を健康の秘訣と提唱していますが、その朝散歩に匹敵するほど効果的なのが、「朝の日光浴」です。これによってセロトニンの分泌が促され、体内時計がリセットされます。そうすると、身体活動にメリハリができて、夜の睡眠が深まるのです。
また、「朝の日光浴」でビタミンDも活性化します。ビタミンDは、免疫力をアップさせ、骨粗鬆症の予防にも役立つと言われています。
高齢の人や体調のよくない人の場合、朝散歩は難しいでしょうが、日光浴でも朝散歩と同等の効果が期待できるのです。
理由(6) 8時間睡眠
私が健康を左右するものとして最も重要と考えるのが「睡眠時間」です。6時間以下だと明らかに睡眠不足で、推奨するのは7時間以上、理想は8時間です。
では、女王の睡眠時間は何時間だったのでしょう?
女王は、毎晩11時までには日記と本を持ってベッドに入っていたといいます。起床時間は午前7時半ですから、日記を書いて、本を読んで眠りにつくまでの時間を30分とすると、睡眠時間は理想の8時間!
8時間眠ると肉体的な疲労も回復しますし、精神的なストレスも緩和されます。公務やパーティなどで多忙な毎日を過ごしていた女王にとって、睡眠時間をしっかり確保していたことが、健康を保つうえで最良の要因だったと考えられます。
理由(7) 日記
女王は英国民に愛されていた一方で、ダイアナ元妃との確執や王室内でのゴタゴタなどがタブロイド紙に取り上げられることも多かったため、心労やストレスを抱えていたことは間違いないでしょう。
心労やストレスに対して、私のYouTubeチャンネルでは「思っていることを言葉に出して発散しよう!」「ガス抜きしよう」とアドバイスしていますが、女王という立場上、ネガティブな感情や本音を人に話すことは難しかったに違いありません。
では、女王はどのようにガス抜きをしていたか。その答えは、女王が一日の終わりにつけていたという日記に隠されていそうです。女王は日記をつけることで自分の気持ちを整理し、ストレスを解消していたと思われます。
心理学の研究でも、日記によるストレス発散効果や健康効果が報告されています。先ほど「睡眠、運動、朝散歩」を健康の秘訣として挙げましたが、私はその次に、日記を推奨します。
睡眠、運動、朝散歩(日光浴)、日記、「まいたの(毎日を楽しむ)」など、いつも私がおすすめしている「健康によい生活習慣」を、エリザベス女王がすべて実践されていたことには感慨深いものがあります。
かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動
写真・福田ヨシツグ イラスト・浜本ひろし