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新潟豪雨で避難所に100個以上の「山崎のパン」担当者は「配るのは当然です」【2022年・注目の人】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.04 06:00 最終更新日:2022.12.04 06:00
8月3日に、東北地方から北陸地方を集中的に襲った豪雨――。
新潟県の花角英世知事は、11月30日の定例記者会見で、総額1兆4287億3100万円の補正予算案を公表した。このなかには、豪雨を受けての防災事業や、物価高対策として事業者支援などが盛り込まれている。
「29日には県庁で、北陸地方整備局との懇談会が開かれ、知事は防災・減災事業への協力を要請。ただ、建設業界で資材の高騰が事業者を圧迫していることから、『県でできる限りの支援を進めるが、国にも理解いただきたい』と要望しました」(週刊誌記者)
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本誌も、災害当時、新潟を取材している。その爪痕は大きく、新潟県や石川県の一部では、住宅崩壊や道路陥落などの影響で通行止めが続いているところがあった。
避難中だった70歳女性はこう語っている。
「3日の夜中に玄関から浸水してきたと思ったら、一気に水位が増えて膝くらいまで水が浸かりました。大雨注意報は出ていましたが、まさかここまでになると思わなくて、パニックになりましたよ」
避難所でひと際、目立っていたのが、公民館に入ってすぐの入り口と、被災者が身を寄せる館内の2カ所に100個以上積まれた「山崎製パン」のパンだ。
「一人暮らしで、どうすればいいかわからず、何も持たずに避難所に急いで来ました。翌日、水が引いてから、近くの銀行やATMに行ったけれど、どこも壊れていて、お金が下ろせない。食べ物もなくて困っていたら、『山崎製パン』の方がたくさん差し入れしてくださって、本当に助かりました。嬉しかったですね」(前出の女性)
山崎製パンといえば、東日本大震災や阪神淡路大震災のときにも、大量の差し入れをしたことで知られる。迅速に差し入れたパンについて、当時、同社に問い合わせたところ、「8月4日に、弊社は村上市役所含めて計6カ所に、自社のトラックでお届けさせていただきました」と回答している。
「災害が起きたのだから、パンを配るのは当然です」との頼もしい回答も――。支援のパンが、復興への道を支えたのだ。
( SmartFLASH )